WordPressのディレクトリを変更したい!5分で分かる移動方法
WordPressをインストールしてブログを作成するとき、どのディレクトリにインストールしたらいいのか迷ったことはありませんか?
インストール後にも「他のWebサイトは”http://www.sample.com/”というすっきりしたURLなのに、自分のWebサイトは”http://www.sample.com/wp/”になっている。
“/wp/”を取りたい」「説明通りにWordPressをインストールしたけど、ルートディレクトリにファイルが散らかっているのは落ち着かないのですっきりしたい」「複数のWebサイトを運営することを考えてサブディレクトリにWordPressをインストールしたけど、SEOを考えるとすっきりしたURLがいいのでルートディレクトリにWordPressを移動できる?」など、いろいろな疑問が出ることがあります。
ここでは、WordPressをインストールするにはどのディレクトリを選べばいいのかを説明し、その上で移動が必要な人向けにディレクトリの移動手順をお伝えします。
目次
WordPressのインストールはどっちのディレクトリが良いの?
WordPressをインストールするときには、ルートディレクトリとサブディレクトリのどちらにインストールすれば良いのでしょう?そのメリットとデメリットをご紹介します。
ルートディレクトリにWordPressをインストールする場合
ルートディレクトリとは、ドメインの直下で一番上の階層にあるディレクトリのことです。
例えば “http://www.sample.com/” などです。
ルートディレクトリにWordPressをインストールするメリットには次のようなものがあります。
インストールするのが簡単
WordPressをルートディレクトリにインストールするならインストール先を指定する必要もないので、簡単にインストールできます。
レンタルサーバー会社の多くがサービスしている、簡単にWordPressをインストールできるサービスでも、インストール先を指定せずにルートディレクトリにインストールしているものが多いです。
SEOに強い
サイトの階層が浅い(上の階層にある)ほうがSEOには有利と言われています。そのため、SEO上の効果を狙ってWordPressをルートディレクトリにインストールすることもあります。
またURLが短くすっきりし、目的に合ったURLをつけられるので、ユーザーにも覚えてもらいやすいという意味でもSEO上の効果が高くなります。
ルートディレクトリにWordPressをインストールするデメリットには、次のようなものがあります。
メンテナンスしにくい
WordPressの他に、過去に他のCMSやHTMLで作成した複数のサイトを運営していた場合、ルートディレクトリにいくつものサイトのファイルが混在します。そのためメンテナンスしにくくなります。
サブディレクトリにWordPressをインストールする場合
サブディレクトリとは、ルートディレクトリの中に作られたディレクトリです。階層の深さは問いません。
例えば “http://www.sample.com/wp/” も “”http://www.sample.com/wp/pic/” も同じようにサブディレクトリです。
サブディレクトリにWordPressをインストールするメリットには、次のようなものがあります。
ルートディレクトリがすっきりする
ルートディレクトリにたくさんのファイルがあると、ファイルが探しにくく、メンテナンスもしにくくなります。
セキュリティ上のリスクが減る
WordPressを攻撃する側は、WordPressのコアファイルがルートディレクトリにインストールされていると想定していることが多いようです。そのため、WordPressがサブディレクトリにインストールされていれば攻撃を受けにくく、比較的安全性が高くなります。
マルチサイト化が可能
サブディレクトリにWordPressをインストールすれば、他のサブディレクトリに別のWordPressをインストールして、別なサイトを作成することができます。
ドメインをいくつも取得する必要がない
サブディレクトリに区切ってWordPressをインストールすれば、複数のサイトを運営しても取得するドメインは1つで済み、ドメインを取得して維持するコストが抑えられます。
さらに1つのドメインにたくさんのページを作成することで、ドメイン全体のページが増え、SEO上の効果があります。
サブディレクトリにWordPressをインストールするデメリットには、次のようなものがあります。
インストール時に手間がかかる
サブディレクトリにインストールするためには、インストール先を指定する一手間がかかります。また、レンタルサーバー各社の簡単にWordPressをインストールできる機能でも、サブディレクトリにインストールすることはできないものもあります。
リスク分散ができない
サブディレクトリに分けてマルチサイト化すると、1つのドメインに内容が集中します。そのため1つのサイトに攻撃、アクセス集中、検索順位下落などの問題が生じると、同じドメインのすべてのサイトに影響がおよびます。また、どのサイトにトラブルがあるのかがわかりにくくなります。
上のようなメリット・デメリットを比べ、WordPressの解説本や解説サイトの多くはサブディレクトリへのインストールを勧めています。
しかし、インストールしてからSEO上の効果を狙ってルートディレクトリへのインストールを考えるサイト管理者も多いようです。
サブディレクトリからルートディレクトリへの移動方法
WordPressをいったんサブディレクトリにインストールしたけれど、ルートディレクトリに移動させたいときにはどうすればいいでしょう?
WordPressをサブディレクトリ「wp」にインストールした場合、サイトのトップページのURLは “http://sample.com/wp/” になります。しかしトップページのURLは、もっと覚えやすい “http://sample.com/” にして、このアドレスでユーザーにアクセスさせたい場合です。
サイトを作ったばかりでまだ内容が少ないなら、もう一度インストールし直すという方法もあります。しかしある程度のページ数があると大変です。
ある程度のボリュームがある既存サイトのURLをサブディレクトリからルートディレクトリに変更する手順をご紹介します。
注意
サイトURLを変更する
WordPressにログインし、ダッシュボードの「設定」から「一般設定」をクリックします。
「サイトアドレス (URL)」を次のように変更して「変更を保存」をクリックします。
“http://sample.com/wp/” → “http://sample.com/”
注意
「WordPress アドレス (URL)」は変更せずに “http://sample.com/wp/” のままにしておきます。
「サイトアドレス (URL)」はサイトのトップページのアドレスで、サイトを見に来る人がアクセスするアドレスです。ここが “http://sample.com/” になることで、すっきりした覚えやすいURLになります。
このアドレスにトップページの内容「index.php」ファイルを置くことで、このアドレスでサイトが表示されるようになります。
「WordPress アドレス (URL)」はWordPress をインストールするアドレスです。こちらを変更すると、アクセスしてもサイトが表示されず、管理画面にも入れなくなります。
index.phpを編集・移動する
サブディレクトリ「/wp/」にある「index.php」ファイルをダウンロードします。
17行目にある「/wp-blog-header.php」を「/wp/wp-blog-header.php」に修正してアップロードし、上書き保存します。
修正前:require( dirname( \__FILE__ ) . ‘./wp-blog-header.php’);
修正後:require( dirname( \__FILE__ ) . ‘./wp/wp-blog-header.php’);
修正した「index.php」ファイルを、ルートディレクトリに移動します。
このとき、ルートディレクトリには「index.php」ファイルと「/wp/」ディレクトリが存在します。
パーマリンク設定の初期化
ただしこの状態では “http://sample.com/wp/” でも “http://sample.com/” でも同じトップページが表示されてしまいます。
“http://sample.com/wp/” ではトップページにアクセスできないようにするには、パーマリンクの設定を変更します。
ダッシュボードの「設定」から「パーマリンク設定」を開きます。
デフォルトで「http://sample.com/?p=123」が指定されているので、再度パーマリンクを設定して更新します。
デフォルト設定のまま使用する場合でも、そのまま「変更を保存」をクリックしてください。これで”http://sample.com/wp/”へのアクセスができなくなります。
これまで「.htaccess」ファイルがなくても、このときに「.htaccess」ファイルが作成されます。
htaccessファイルを移動する
「.htaccess」ファイルがサブディレクトリにあれば、ルートディレクトリに移動します。ルートディレクトリにある場合はそのままで大丈夫です。
このとき、ルートディレクトリには「index.php」と「.htaccess」の2つのファイルと「/wp/」ディレクトリが存在します。
変更確認
これでトップページが “http://sample.com/” に変更されました。アクセスして確認してください。
“http://sample.com/” でアクセスできない場合は、ブラウザのキャッシュが邪魔をしている可能性があります。ブラウザを更新したり、ブラウザのキャッシュをクリアして読み込み直したりして確認してください。
サブディレクトリに設置してサイトURLをドメイン直下に変更する方法
URLを単純なものにしたいときも、必ずWordPressをルートディレクトリに移動する必要があるわけではありません。
サブディレクトリ「/wp/」にインストールしたままでも、見た目だけはルートディレクトリにインストールした時と同じURLにすることができます。
この方法を利用すれば、サイトリニューアルが便利です。現在のサイトのサブディレクトリに新しいサイトを作成しておき、完成したらサブディレクトリのサイトのURLをルートディレクトリのURLに置き換えることで、スムーズにサイトを移行できます。
サイトURLを変更する
WordPressにログインし、ダッシュボードの「設定」から「一般設定」をクリックします。
「サイトアドレス (URL)」を次のように変更して「変更を保存」をクリックします。
“http://sample.com/wp/” → “http://sample.com/”
注意
「WordPress アドレス (URL)」は変更せずに “http://sample.com/wp/” のままにしておきます。
htaccessファイルをコピーする
サブディレクトリに「.htaccess」ファイルがあれば、ルートディレクトリにコピーします。
「.htaccess」ファイルはパーマリンク設定を行うことで作成されます。サブディレクトリに「.htaccess」ファイルがなければ、ダッシュボードの「設定」から「パーマリンク設定」を開いて「変更を保存」をクリックすると作成されます。パーマリンクの設定を変更する必要はありません。それから作成された「.htaccess」をルートディレクトリにコピーします。
これで、ルートディレクトリとサブディレクトリに1つずつ「.htaccess」ファイルが存在します。
index.phpをコピーする
サブディレクトリ「/wp/」にある「index.php」ファイルをダウンロードし、修正します。
17行目あたりにある「/wp-blog-header.php」を「/wp/wp-blog-header.php」に修正してアップロードし、上書き保存します。
修正前:require( dirname( \__FILE__ ) . ‘./wp-blog-header.php’);
修正後:require( dirname( \__FILE__ ) . ‘./wp/wp-blog-header.php’);
「index.php」ファイルを修正して上書き保存したら、ルートディレクトリにコピーします。
これで、ルートディレクトリとサブディレクトリに1つずつ「index.php」ファイルが存在します。
ルートディレクトリには「index.php」と「.htaccess」の2つのファイルと「/wp/」ディレクトリが存在します。
変更確認
これで、”http://sample.com/” でトップページにアクセスできるように変更されました。アクセスして確認してください。
ただし実際にWordPressが移動したわけではないので、ダッシュボードは実際にWordPressがインストールされている “http://sample.com/wp/wp-admin” のままです。
“http://sample.com/” でアクセスできない場合は、ブラウザのキャッシュが邪魔をしている可能性があります。ブラウザを更新したり、ブラウザのキャッシュをクリアして読み込み直したりして確認してください。
話は変わりますが、WordPressを使っていて「サイトの表示が遅い」と思ったことはありませんか?以下の記事では、WordPressが重くなる原因と、その対策について紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。
まとめ
一度サブディレクトリにインストールしたWordPressをルートディレクトリに移動したり、移動したように見せることは簡単です。しかし、あまりひんぱんに行うべきではありません。
URLを変更してしまうと、これまでサイトにつけられたTwitterやFacebookでの「いいね」やトラックバックなどのリンクが消えてしまいます。またURLが変わるので、Google AnalyticsやGoogle Search Consoleの設定も変更する必要があります。設定を変更するときにも、これまでのアクセスの記録を消さないように注意する必要があります。
これまでサイトが蓄積してきたSEO上の資産を失わないためにも、最初にインストール先を決めたら、なるべく変更しないことをおすすめします。
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