オウンドメディアの事例10選と成功企業に共通する5つのポイント
オウンドメディアを活用して、自社ないしマーケティング担当者であるあなたが求める結果を出すためには、オウンドメディア活用の成功事例を見ておきましょう。
オウンドメディアの成功事例を見ることで、自社のマーケティングにおけるオウンドメディアの活用方法がわかってきます。
今回は、当メディア『月刊副業』の事例もあわせて、オウンドメディアを自社のマーケティングに有効活用できている成功企業に共通する5つのポイントも紹介していきます。
目次
オウンドメディアとは何か?
オウンドメディアとは、広い意味では「企業ないし個人が運営するWeb媒体」のことを指します。ただし一般的には「企業ないし個人が運営する、情報発信の役割を果たすWebサイト」をオウンドメディアと呼ぶことがほとんどです。
つまり広い意味では、弊社(株式会社Catch the Web)が運営している
- 株式会社Catch the Webのコーポレートサイト、ホームページ
- 当メディア『月刊副業』
- Twitter、Facebookアカウント
といったWeb媒体すべてが、オウンドメディアであるということです。
ただし一般的には
- 当メディア『月刊副業』
のみが、オウンドメディアと呼ばれています。
今回、マーケティング担当者であるあなたが活用を検討している『オウンドメディア』も、当メディア『月刊副業』のような形ではないでしょうか?
そのため、この記事での『オウンドメディア』という言葉については「企業ないし個人が運営する、情報発信を目的としたWebサイト」と定義して話を進めていきます。
成功しているオウンドメディアは、目的を明確にしている
成功しているオウンドメディアは、以下に挙げるような目的を明確に設定し、その目的に沿って運用されています。
- 新規顧客や見込み客の獲得
- 商品やサービスの購入者の増加
- 商品やサービスないし企業自体の認知度向上
- 企業の理念や世界観の拡大(自社のブランディング)
- 既存顧客の満足度向上
- オウンドメディア自体でのマネタイズ(広告枠、自社商品など)
- 人材の採用
- 自社サービスの検証
目的が定まっていないオウンドメディアは、どのような情報を発信するかという、コンテンツの軸も定まりません。その結果として、オウンドメディアを作ったは良いものの、成果が上げられずに失敗するというケースが多々あります。
オウンドメディアを活用して自社のマーケティングを成功させるために、必ず目的を設定しましょう。
オウンドメディアを活用する目的が多数ある場合は、もっとも課題となっている部分を優先する
オウンドメディアを活用する目的が多数ある場合は、優先順位をつけましょう。まずは、自社のマーケティングにおいてもっとも課題となっている部分を目的とするのが効果的です。
当メディア『月刊副業』の場合は、「自社サービスの検証」が最初の目的でした。しかしメディアが大きくなるにつれて出来ることが増えたため、「新規顧客や見込み客の獲得」「オウンドメディア自体でのマネタイズ」という目的を増やしました。
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オウンドメディアの成功事例10選【目的別】
それでは、先ほど紹介した「目的」という観点をもとに、オウンドメディアの成功事例を10個紹介します。成功しているオウンドメディアには様々な目的が追加されますが、ここでは参考となる情報をもとに、適しているであろう目的を取り上げます。
1.サイボウズ式
URL:https://cybozushiki.cybozu.co.jp/
サイボウズ式は、会社や組織のあり方、多様な働き方や生き方についての情報を発信しているメディアです。先進的な取り組みをしている組織・個人などへのインタビューが中心となっており、社会人なら思わず読み込んでしまうコンテンツが掲載されています。
比較的少ないPVでありながら社会に対する影響力が大きいため、オウンドメディアの成功事例として多くの記事で取り上げられています。
目的
商品やサービスないし企業自体の認知度向上
企業の理念や世界観の拡大(自社のブランディング)
方針
数値目標を決めず、記事に対する読者の「コメント」を重視する
他メディアでも読めそうな記事は作成しない
読者のためになる記事だけ作成する
運営開始時期
2012年5月
成果
メディア業界の名だたる人物に、メディア編集力が評価された
Web上で「サイボウズ式」というブランド名の言及数が増えた
2015年の新卒入社22人中3人がサイボウズ式の存在を知っていた
参考情報
2.LIGブログ
LIGブログは、Web制作会社だからこそ発信できるWeb関係の技術情報や、さまざまな体験をコンテンツとして発信しているメディアです。目を引く画像や、思わず読んでしまうような面白さのあるコンテンツが掲載されています。
月間500万PVを集めるLIGブログは、国内でも有数のPV数を誇るオウンドメディアとして知名度の高いメディアとなっており、オウンドメディアの際立った成功事例のひとつと言えます。
目的
新規顧客や見込み客の獲得
商品やサービスの購入者の増加
オウンドメディア自体でのマネタイズ(広告枠、自社商品など)
人材の採用
方針
公式サイトのメディア化
わくわくをつくる
日常業務で得た知識や技術のアウトプット
運営開始時期
2012年1月
成果
月間500万PV
1,000社以上のコンテンツ制作
参考情報
3.LISKUL
LISKULは、リスティング広告を中心としたWebマーケティングのノウハウを発信しているメディアです。中小企業の多忙なWebマーケターが、その課題を今すぐ解決できるような情報が掲載されています。
月間のリード件数が200件、資料ダウンロード件数は500件と、オウンドメディアを利用したコンテンツマーケティングの成功例と言えるでしょう。
目的
新規顧客や見込み客の獲得
オウンドメディア自体でのマネタイズ(広告枠、自社商品など)
方針
社員が自主的に記事を作成する
Webマーケターが抱える課題を解決するノウハウコンテンツを作成する
Webマーケターが課題に向き合えるコンテンツを作成する
運営開始時期
2014年1月
成果
月間リード獲得数200件
LISKUL内にオウンドメディアを作成できる『RentaLISKUL』サービスの提供開始
参考情報
4.イーアイデムの地元メディア「ジモコロ」
URL:https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/
イーアイデムの地元メディア「ジモコロ」は、さまざまな『地元』にある魅力的な仕事や、地元愛にあふれる地元ネタの情報を発信しているメディアです。
イーアイデムは求人情報Webサービスで、ジモコロが行なった調査では、ジモコロをきっかけにイーアイデムを知った人が60%という結果も出ています。
さらに、ジモコロ読者の10%がイーアイデムから求人に応募しているため、こちらもオウンドメディアの成功事例と言えるでしょう。
目的
新規顧客や見込み客の獲得
商品やサービスないし企業自体の認知度向上
企業の理念や世界観の拡大(自社のブランディング)
方針
「仕事の情報で地域を元気にする」という企業理念をWeb上で体現する
足を使って一次情報を取りに行く
地元に潜在している普遍的な価値観の発掘
運営開始時期
2015年5月
成果
イーアイデムの認知度向上
求人サイトと聞いてイーアイデムを最初に思い出す人の増加
イーアイデムに好印象を抱く人の増加
参考情報
5.北欧、暮らしの道具店
URL:https://hokuohkurashi.com/note/
北欧、暮らしの道具店は、北欧のライフスタイルおよび北欧スタイルの本質を、編集部らしく発信しているメディアです。
元はECサイトのみでしたが、現在はメディアとECサイトが一緒になっており、まるでショッピングカートと雑誌が一体になったようなオウンドメディアとなっています。2015年から2019年にかけては年商が3倍以上に伸び、オウンドメディアの成功事例としてよく取り上げられるメディアのひとつです。
目的
新規顧客や見込み客の獲得
商品やサービスの購入者の増加
企業の理念や世界観の拡大(自社のブランディング)
オウンドメディア自体でのマネタイズ(広告枠、自社商品など)
方針
「本当のこと」を伝える
自分が読みたいと思えるコンテンツを作る
自分が書きたいことや、みんなが読みたそうという動機でのコンテンツは作らない
運営開始時期
ECサイト運用開始は2007年9月(現在の形になったのは2011年頃)
成果
月間PV1,300万以上、月間UU130万以上
Facebookページのいいね!数41万以上
年商8.6億円(2015年)→年商約30億円(2019年7月期見込)
参考情報
6.BBQ GO! | 国内最大級!全国のバーベキュー情報サイト
※2022年11月現在 該当するサイトがありません。
BBQ GO!は、大切な人との『食べる喜び』の機会づくりをお手伝いするというミッションのもと、全国のBBQスポットやBBQレシピなどの情報を発信しているメディアです。
たった1年半で累計800万の訪問者を獲得するほど急成長したメディアであるため、こちらもオウンドメディアの成功事例としてよく紹介されています。また、「競合との差別化」「記事のネタ切れへの対策」など、オウンドメディアにありがちな問題点を解消しているメディアとしても有名です。
目的
商品やサービスの購入者の増加
企業の理念や世界観の拡大(自社のブランディング)
方針
事前の入念な研究により、現実的に勝てるテーマを選ぶ
質が高く独自性のある情報を追求する
熱意のあるパートナーと協力する
運営開始時期
2015年3月
成果
メディア開設から1年半で国内最大級のバーベキューサイトに成長
1年半の累計メディア訪問者数800万人
参考情報
7.mercan(メルカン)
URL:https://mercan.mercari.com/
mercan(メルカン)は、「メルカリのはたらくを伝える」というコンセプトのもと、メルカリが行なっているチャレンジや、メルカリで働くことに興味を持ってもらうための情報を発信しているメディアです。
月間のPV数は30万から35万ほどですが、メルカンの記事から実際に人材の採用に成功するなど、リクルートマーケティング戦略に成功しています。オウンドメディアを利用したリクルートマーケティングの成功事例として、成功事例に挙げられるメディアです。
目的
商品やサービスないし企業自体の認知度向上
人材の採用
方針
毎日更新する
採用候補者は、メルカンを読むことでメルカリがわかる状態にする
PVは追わない
運営開始時期
2016年5月
成果
記事を読んだ人がメルカリに応募し、採用
新聞の取材によるメルカリの認知拡大
参考情報
8.Coca・Cola Journey
URL:https://www.cocacola.co.jp/
Coca・Cola Journeyは、コカコーラ社の取り組みのみならず、著名人へのインタビュー記事など、さまざまな情報を発信しているメディアです。
グローバル企業が企業の考え方や理念を発信しているメディアとして、また、従来型のコーポレートサイトにおけるコンテンツマーケティング戦略の革新的事例として、こちらもオウンドメディアの成功事例でよく挙げられるメディアとなっています。
目的
企業の理念や世界観の拡大
既存顧客の満足度向上
方針
人々の好奇心を世界に向けさせる
市民の議論への参加を促す
コカコーラという企業について知ってもらう
運営開始時期
2013年6月
成果
ソーシャルメディアのフォロワー数50%増加
世界最大のビジネスSNS『LinkedIn』にて、ひとつの記事が、約1,000の「いいね!」を獲得
参考情報
9.ニキペディア
ニキペディアは、ニキビに悩むすべての人に向けて「ニキビケア」「ニキビ治療」「ニキビ跡」「身体のニキビ」「ニキビ予防」に関する情報を、網羅的に発信しているメディアです。
運営開始から2年で月間90万PVを達成し、広告に頼ることなく多くのコンバージョンを獲得するに至りました。そのため、ニキペディアはEC業界でのオウンドメディア成功事例として、多くのWebメディアで紹介されています。
目的
新規顧客や見込み客の獲得
商品やサービスの購入者の増加
方針
競合も肯定的に書く
自社商品を勧めず、ユーザーに比較検討してもらう
「1コンテンツ=1KW=1ペルソナ」の原則を設ける
運営開始時期
2013年12月
成果
運営開始から2年で月間90万PV、月間50万UUを獲得
ECサイトでのコンバージョン率は平均2.5%
(通常のECサイトでのコンバージョン率は、1%〜2%)
参考情報
10.月刊副業
URL:https://gekkan-fukugyou.jp/
月刊副業は、アフィリエイトを中心としながらも、アフィリエイト以外の副業に関する情報を発信しているメディアです。また、自社のオウンドメディア構築スクール『オウンドメディア構築塾』のノウハウを実地検証する場として開設されたメディアでもあります。
月間の見込み客獲得数は150〜200件以上で推移しており、自社のスクールや商品へのコンバージョンに寄与。3名体制で運営されており、少ない人員ながら多くの見込み客獲得ができている事例と言えます。
目的
新規顧客や見込み客の獲得
自社サービスの検証
方針
検索者のニーズに沿った情報提供
検索者が情報を知った後に行動できるようなコンテンツの作成
運営開始時期
2017年1月
成果
月間の見込み客獲得数150〜200件
月間PV数30万以上
自社媒体での成功事例をスクール生に共有
参考情報
オウンドメディアで成功している企業に共通する5つのポイント
オウンドメディアを使ったマーケティングに成功している企業には、以下5つの共通するポイントがあります。
- 目的を定め、競合他社にはない自社の強みを洗い出している
- メディアの中心に軸となる考え方がある
- ターゲットとなるユーザーを定め、自社だからこそ信頼できる情報を発信している
- メディアがユーザーにとって使い勝手のよいデザインである
- コンテンツマーケティングに時間がかかることを理解し、運営体制に投資している
1. 目的を定め、競合他社にはない自社の強みを洗い出している
オウンドメディアを自社のマーケティングにどう活用するか?という目的が明確になっているからこそ、オウンドメディアに含めるべき情報が整理できます。
また、オウンドメディアの計画段階で
- 自社にどんな強みがあるのか?
- 自社にしかない強みは何か?
を洗い出しておくことで、オウンドメディアを活用したマーケティングの土台が固まります。
2. メディアの中心に軸となる考え方がある
「どういう方向性で、どのような情報を発信するのか?」という、メディアの軸となる考え方を設けることで、他社のオウンドメディアと差別化が図れます。
また、軸となる考え方があることで、発信すべきではない情報も整理できます。
自社のオウンドメディアとして発信すべきではない情報を発信すると、企業のブランドイメージにも影響が出かねません。
メディアの中心に軸となる考えを設けることは、差別化やブランドイメージに対する自衛に繋がります。さらに、軸となる考え方に近しい情報から発信していくことで、用意するコンテンツの最適化も図れます。
3. ターゲットとなるユーザーを定め、自社だからこそ信頼できる情報を発信している
オウンドメディアを活用する目的は、企業によってさまざまです。しかしいずれの目的の場合でも、どういう層の人に向けて情報を発信するか?というユーザー層を定めているのです。
そうすることで、オウンドメディアで発信する情報の優先度を整理できます。
さらに成功しているオウンドメディアは、自社だからこそ発信できる情報を、記事(コンテンツ)として提供しています。
「この情報ならこのメディア!」とユーザーに思ってもらえることが、オウンドメディアを活用したマーケティングの成功のカギです。
4. メディアがユーザーにとって使い勝手の良いデザインである
ユーザーがメディアに訪問してくれたとき、自社の目的を達成するために、オウンドメディア内の複数のコンテンツを読んで欲しいという場合もあるでしょう。
そんなとき、ユーザーにとって次に読んで欲しいコンテンツがどこにあるのかがわからないデザインでは、ユーザーが「次の記事を読む」という行動を起こせません。
これでは機会損失となってしまいますので、オウンドメディアのデザインは、ユーザーにとって使い勝手の良いデザインであることが必要です。
5. コンテンツマーケティングに時間がかかることを理解し、運営体制に投資している
コンテンツマーケティングとは、読者にとって価値のあるコンテンツを作成・発信し、新規顧客の獲得および見込み客化、そして購買行動を経て、最終的に企業のファンとなってもらうためのマーケティング手法です。
そしてオウンドメディアは、コンテンツマーケティングという手法を実現するための施策のひとつです。コンテンツマーケティングは、新規顧客の獲得から企業のファン化までを一手に担えるマーケティング手法であることから、多くの企業が採用しています。
しかしコンテンツを作成するのには時間がかかりますし、そのコンテンツがユーザーに認知されるまでにも、半年〜年単位の時間がかかります。そしてその間、オウンドメディアからは目立った成果が出ません。
オウンドメディアを利用したコンテンツマーケティングで成果を出すためには「継続的な情報発信」がカギとなります。オウンドメディアの活用に成功している企業は、コンテンツマーケティングのこうした特徴を理解し、運営体制を整え、目的の達成のために中〜長期的な運営を前提として情報を発信しています。
オウンドメディアの作り方と個人でマネタイズ(収益化)する運用方法を解説
まとめ
今回は、オウンドメディアの定義から話をはじめ、成功しているオウンドメディアの目的と事例、成功している企業に共通しているポイントを紹介してきました。
オウンドメディアの事例からもわかるとおり、オウンドメディアを自社のマーケティングに活用できれば、企業が目指す目的の達成に大きく貢献できます。
弊社が運営しているオウンドメディア構築のスクールでは、企業単位ではなく、なんと個人でも100万PVや年商数億という成果を出せるノウハウとサポート体制をご用意しております。
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