オウンドメディアとは何か?その意味と役割、自社への取り入れ方
B!
「オウンドメディアって最近よく聞くけど、自社にも取り入れた方がいいのかな?」
「オウンドメディアは、自社で作成や運営ができるのかな?」
「というか、オウンドメディアってそもそも何?」
最近、多くの企業が、自社の知名度や売り上げの向上などを目的として「オウンドメディア」を取り入れています。
オウンドメディア運営を成功させている企業は、オウンドメディアから多くの「見込み客」を、自社製品や自社サービスへと誘導できています。
うまく運営できれば大きな効果が期待できるオウンドメディアですが、企業がオウンドメディアを運営するときに大切なのは、自社で活用できるかどうかを見きわめること。
「他社がオウンドメディアを取り入れているから、ウチも取り入れよう」
というのは、時期尚早でしょう。
なぜなら、他社がオウンドメディアを取り入れているからという理由で自社にも取り入れてしまうと、
- メディアのコンセプトが固まらない
- どのような情報を発信したらよいかがわからない
という問題が起こってしまうからです。
また「オウンドメディアとはそもそも何か?」という部分が明確になっていないと、オウンドメディアを自社で活用できるかどうかの判断がつかないでしょう。
そこで今回は、オウンドメディアとは何か?という言葉の定義や、その役割、自社への具体的な取り入れ方を紹介していきます。
申し遅れました。
弊社は、月間100万回以上読まれるメディアを多数コンサルティングしてきた、株式会社Catch the Webでございます。
この記事では、これからオウンドメディアに取り組もうかと検討している貴社に向けて、弊社が蓄積してきたオウンドメディアに関するノウハウをわかりやすく解説していきます。
オウンドメディア運営は、取り組み方を間違えると
- 読者が集まらない
- 資料請求や問い合わせが増えない
- 更新が続かない
といったような「失敗」に繋がってしまうことも。
その失敗の原因のひとつに「コンセプトが定まっていない」ということがあります。
このように、オウンドメディア運営が失敗してしまう原因と、その解決策についても記事内で紹介していますので、ぜひ最後までお付き合いください。
それでは、まずは「オウンドメディアとはそもそも何か?」ということから、始めていきましょう。
目次
オウンドメディアとは「自社が所有するメディア」という意味
オウンドメディアとは「自社が所有するメディア」のことで、英語では「owned media」と表記されます。
所有するという意味の「owned(オウンド)」と、媒体という意味の「media(メディア)」が合わさった言葉です。
そのため「オウンドメディア」を広い意味で捉えると、自社が所有している
- ホームページ
- ブログやウェブマガジン
- Twitterアカウント
- Facebookページ
- ECサイト
- サービスの機能提供サイト
というような媒体のすべてが、オウンドメディアと定義されています。
ただし上記のなかでも、実務の中で一般的に「オウンドメディア」と呼ばれているのは、企業が運営するブログやウェブマガジンのこと。
見込み客が興味を抱きそうな情報を、まるで雑誌のように発信するウェブマガジンに対して「オウンドメディア」という言葉が使われることが一般的です。
話が少しややこしくなってきましたので、以下の表に、オウンドメディアとは何か?を整理してみます。
言葉の定義 | 自社が所有するすべてのメディア |
言葉の一般的な使われ方 | 自社が所有するブログやウェブマガジン |
また、オウンドメディアをより正確に理解するためには「トリプルメディア」という考え方を知っておく必要があります。
オウンドメディアを理解するうえで欠かせない「トリプルメディア」とは何か?
トリプルメディアとは「企業と見込み客が、はじめて接点を持つメディア」の総称を指します。
インターネットを活用したマーケティングでは、ここで紹介するトリプルメディアのうちのいずれかから、見込み客と企業に繋がりが生まれます。
オウンドメディアに加えて「ペイドメディア」と「アーンドメディア」があり、これら3つをまとめて「トリプルメディア」と呼んでいます。
ここでは、オウンドメディアとペイドメディアとアーンドメディアの意味を理解していきましょう。
また、それぞれのメディアには異なる強みや役割がありますので、それらの違いについても触れていきます。
オウンドメディアの意味と役割
オウンドメディアという言葉の意味は「自社で所有するメディア」で、一般的にオウンドメディアと呼ばれるものは「自社が所有するブログやウェブマガジン」のことでしたね。
オウンドメディアは、トリプルメディアの中において、ブログやウェブマガジンによる「情報発信」を行う役割を担っています。
つまりオウンドメディアには、自社が所有するブログやウェブマガジンに記事コンテンツを投稿(情報発信)して、そこに見込み客からのアクセスを集めるような役割があるということです。
オウンドメディアで発信する情報は、自社で取り扱っている商品の詳細情報や、商品に関連する情報が一般的です。
たとえば、保険に関する商品を取り扱っている企業なら、商品の詳細情報には自社の保険商品が該当するでしょう。
商品に関連する情報には、保険の選び方や、保険の種類などが該当します。
こうした情報を記事として世の中に発信することで、インターネットで「保険 選び方」などで検索した人が、あなたの企業のオウンドメディアにある記事へたどり着きます。
そこではじめて、あなたの企業と見込み客に繋がりが生まれるのです。
ペイドメディアの意味と役割
ペイドメディアという言葉は「インターネット広告など、広告を掲載するスペースを提供している媒体」を意味しています。
具体的には「Yahoo! JAPAN」などのポータルサイト(検索エンジンやリンク集のこと)や、「日本経済新聞 電子版」などのニュースサイトが、ペイドメディアに該当します。
何かの情報を発信したいときに、広告費を払ってこのようなサイトに自社の広告を掲載するため、支払いを意味する「Paid(ペイド)」という言葉が使われているのです。
ペイドメディアは、トリプルメディアの中において、広告による「企業ブランドや商品の認知向上」を行う「情報仲介」の役割を担っています。
多くの人が利用するポータルサイトやニュースサイトに広告を掲載することで、その広告が見込み客の目に止まります。
そこではじめて、あなたの企業と見込み客に繋がりが生まれるのです。
アーンドメディアの意味と役割
アーンドメディアという言葉は「名声や信頼を得る媒体」を意味しています。
英語では「Earned media」と表記され、この「Earned」には、「(名声や信頼を)獲得する」という意味があるのです。
具体的には、消費者が運営するTwitterやFacebook、Instagramなどの各種SNSが、アーンドメディアに該当します。
自社の商品を実際に使用した消費者が「この商品、すごくいい!」というように情報を拡散してくれることで、企業や商品に対して、消費者間での信用が自然と高まっていくのです。
アーンドメディアは、トリプルメディアの中において、SNSによる「情報拡散」を行う役割を担っています。
利用者の多いSNS上で自社の商品の評判が拡散することで、今までその商品を知らなかった人も、その商品の存在を知ることができます。
そこではじめて、あなたの企業と見込み客に繋がりが生まれるのです。
トリプルメディアについての紹介は、以上です。
それぞれに特徴がありましたので、ここで改めて、これら3種類のメディアについてまとめてみます。
オウンドメディア | ペイドメディア | アーンドメディア | |
言葉の意味 | 自社が所有するブログやウェブマガジン媒体 | 広告を掲載するスペースを提供する媒体 | SNSなど消費者が持つ媒体 |
役割 | 情報発信 | 情報仲介 | 情報拡散 |
見込み客との接点 | 検索エンジンからの流入 | 掲載されている広告を見る | 拡散された情報を見る |
オウンドメディアの長所と短所
オウンドメディアへの理解が深まったところで、オウンドメディアの長所と短所についてお話ししていきます。
自社にオウンドメディアを取り入れるかどうかは、この長所と短所をしっかりと把握した上で判断してみましょう。
オウンドメディア4つの長所
オウンドメディアには、以下4つの長所があります。
- 見込み客を永続的に獲得し続けられる
- 見込み客とのコミュニケーションが取れる
- 見込み客の行動データが蓄積される
- 見込み客に対して自由度の高い訴求ができる
これら4つの長所について、順に詳しく見ていきましょう。
オウンドメディアの長所1
見込み客を永続的に獲得し続けられる
オウンドメディアは、その知名度が一度高まると、大きな費用や労力を割かずとも見込み客を永続的に獲得し続けられます。
オウンドメディアに投稿された記事が検索エンジンの検索結果に上位表示されると、検索をとおして、見込み客があなたの会社のオウンドメディアに訪れるからです。
つまりオウンドメディアは、ペイドメディア(広告出稿)のように、広告費が尽きたら集客も止まってしまうようなものではないのです。
さらに、SNSへの広告出稿で起こりがちな「タイムラインが流れてしまったら、集客効果がほぼ見込めなくなる」ということも起こりません。
オウンドメディアをうまく運用できれば、検索エンジンから、見込み客を永続的かつ常に集客し続けられるのです。
オウンドメディアの長所2
見込み客とのコミュニケーションが取れる
オウンドメディアにお問い合わせフォームやコメント欄を設置しておくことで、見込み客とのコミュニケーションが取れます。
これにより、見込み客の要望などを知ることができます。
お問い合わせフォームやコメント欄からは、オウンドメディアの記事についての質問が来る場合もあれば、商品についての質問が来る場合もあるでしょう。
いずれにしても、見込み客と1対1のコミュニケーションが取れるので、自社への信頼を得られる機会が増えます。
オウンドメディアの長所3
見込み客の行動データが蓄積される
オウンドメディアにアクセス解析タグを設置しておけば、オウンドメディアを訪れた見込み客が、メディア内でどのような行動をしたのかという「行動データ」が蓄積できます。
蓄積できる行動データの代表的なものには、以下のような種類があります。
- どれくらいの期間に何人の見込み客が訪れたのか?
- 見込み客は、どの記事からオウンドメディアに訪れたのか
- 見込み客が、どの記事にどれくらいの時間滞在したのか
- オウンドメディアを訪れた見込み客の、年齢や性別
- オウンドメディア内のどの記事がよく読まれているのか?
この他にも、さまざまな行動データを蓄積できます。
オウンドメディアで蓄積できる見込み客の行動データは、まさに宝の山。
行動データを活用することよって、新しいコンテンツのアイディアが浮かんできたり、すでに投稿してある記事同士の結びつけを強化できたりします。
場合によっては、よく読まれている記事から、自社の商品を詳しく紹介している記事に誘導できることもあるでしょう。
見込み客の行動データが蓄積できることは、ペイドメディアやアーンドメディアと違い、自社で所有できるオウンドメディアならではの長所といえます。
オウンドメディアの長所4
見込み客に対して自由度の高い訴求ができる
オウンドメディアは、自社で所有できるブログやウェブマガジンであるため、自由に情報を発信できます。
広告出稿型のペイドメディアは、各種ポータルサイトやSNSの広告枠におさまる範囲でしか情報を発信できません。
また、SNSによる情報拡散型のアーンドメディアは、消費者同士の情報発信なので、拡散される情報をコントロールできません。
一方でオウンドメディアは、これらのフォーマットなどによる制限を受けないため、見込み客に対して自由度の高い訴求ができるのです。
オウンドメディア3つの短所
さまざまな長所のあるオウンドメディアですが、オウンドメディアも完璧ではありません。
オウンドメディアには、以下3つの短所があります。
- 投稿したコンテンツが検索結果の上位に表示されるまで、時間がかかる
- 継続的な運用が必要
- 最低限の検索エンジン対策が必要
これら3つの短所についても、順に詳しく見ていきましょう。
オウンドメディアの短所1
投稿した記事が検索結果の上位に表示されるまで、半年程度の期間が必要
開設したばかりのオウンドメディアは、どれだけ質の高い記事を投稿しても、その記事が検索結果の上位に表示されません。
オウンドメディアに投稿した記事が、検索結果の上位に表示されるようになるまでには、半年程度の期間が必要です。
その原因は、検索エンジンの仕組みにあります。
検索エンジンは、開設されたウェブサイトや、投稿された記事に対して、その情報を収集するためのプログラムを常に稼働させています。
このプログラムは「クローラー」と呼ばれ、開設されたウェブサイトや更新された記事の情報をクローラーが収集することにより、投稿された記事が検索結果として検索エンジン上に表示されるのです。
投稿された記事が、検索結果上でどのような順位がつくかという判断は、クローラーによる情報収集の結果によって判断されます。
クローラーが収集する情報は多岐に渡りますが、投稿された記事に含まれる情報(記事に書かれている文字や画像など)は、間違いなく収集されます。
「その記事には、どのような情報が書かれているのか?」
「その記事には、どのような情報が多く含まれるか?」
クローラーが収集してきたこれらの情報をもとに、検索エンジンは、その記事を検索結果上で何位に表示させるのかを判断しているのです。
これだけ見ると「じゃあ質の高い記事を投稿すれば、すぐにでも検索結果で上位表示できるのでは?」と思うかもしれません。
しかし検索エンジンは上記の他にも、
「そのオウンドメディアが、どれくらいの期間運営されているのか?」
なども検索結果で上位表示させるための一定の指標として取り入れています。
ですので、開設したばかりのオウンドメディアは、質の高い記事を投稿しても、なかなか検索結果の上位に表示されないのです。
古くから営業している飲食店と、新しく開業した飲食店では、なんとなく前者の方が「美味しい料理を提供してくれそうだな」という信頼感があると思います。
検索エンジンも同様に、古くから運営されているウェブサイトに信頼を寄せる(= 検索結果の上位に表示させる)傾向にあるのです。
ただしウェブサイトの運用歴は、検索結果に上位表示させる記事を決定するひとつの指標でしかありません。
飲食店でも、開業からしばらくしてなお、客足が途絶えないとなれば「あのお店、なんだか美味しそう!」という信頼を感じられると思います。
オウンドメディアも同様に、開設してから一定の期間が経てば、検索エンジンから一定の評価を得られるようになるのです。
そして、オウンドメディアが検索エンジンから一定の評価を得られるようになるのが、一般的に「半年」と言われています。
そのため、オウンドメディアに投稿した記事が検索結果の上位に表示されるまでは、半年程度の期間が必要なのです。
オウンドメディアの短所2
継続的な運用が必要
オウンドメディアに投稿した記事が、検索結果で上位に表示されると、オウンドメディアへ徐々に見込み客が訪れるようになります。
その見込み客に「このサイト、すごくいい情報が載ってる!」と思ってもらえることもあるでしょう。
そのような見込み客は、オウンドメディアのリピーターになってくれるかもしれません。
しかし、そのオウンドメディアに新しい情報が追加されないと、いつしか「ここの情報はもう見たな」と思われてしまいます。
結果としてその見込み客が、オウンドメディアを訪れてくれなくなってしまうかもしれません。
せっかくオウンドメディアのリピーターになってくれた見込み客を離さないためにも、定期的な更新など継続的な運用が必要なのです。
オウンドメディアの短所3
最低限の検索エンジン対策が必要
オウンドメディアに投稿する記事を、検索結果の上位に表示させるためには、最低限の検索エンジン対策が必要です。
検索エンジン対策については記事の後半で紹介しますが、検索エンジンに対して最低限、「この記事は、こういう情報について詳しく書いていますよ」という情報を伝える必要があります。
検索エンジンに対してどのように情報を伝えるかは、記事のタイトルや記事内の見出しに、詳しく書いてあることの内容を記載する必要があります。
たとえば、保険の種類について詳しく紹介している記事なのに「保険を楽しく学ぼう!」というような記事のタイトルを付けたとします。
すると検索エンジンは「この記事は、保険を楽しく学ぶための記事なんだな」と判断してしまいがちです。
もちろん、クローラーは記事の内容の情報も収集していますので、検索エンジンが総合的に「保険の種類について書かれた記事なんだな」と判断するかもしれません。
しかし記事タイトルは、記事の中でも、その記事に何が書かれているのか?を検索エンジンに示す重要な指標です。
そのため、保険の種類について詳しく書いた記事の記事タイトルには「保険」「種類」という言葉を、最低限含める必要があるということです。
また、検索エンジン対策は、一般的に「SEO対策」と呼ばれます。
今すぐ具体的な検索エンジン対策を知りたいという場合は、以下のリンクから検索エンジン対策の項目へジャンプしてください。
ここで、オウンドメディアの長所と短所をおさらいしてみましょう。
オウンドメディアの長所 | オウンドメディアの短所 |
見込み客を永続的に獲得し続けられる | 投稿した記事が上位表示されるまで、半年程度の期間が必要 |
見込み客とのコミュニケーションが取れる | 継続的な運用が必要 |
見込み客の行動データが蓄積される | 最低限の検索エンジン対策が必要 |
見込み客に対して、自由度の高い訴求ができる |
オウンドメディアとインバウンドマーケティング、コンテンツマーケティングとの関連性
オウンドメディアと同じような意味で使われることの多い用語に、インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングというものがあります。
ここでは、これら3つの用語について、その関連性を紹介していきます。
インバウンドマーケティングとは
従来のマーケティングでは、企業側から見込み客や消費者に向けて、広告などで一方的にメッセージを伝える手法がさかんに行われてきました。
つまり、企業から見込み客の方に向かったマーケテイングが行われていたということです。
これは「アウトバウンドマーケティング」と呼ばれています。
インバウンドマーケティングは、このアウトバウンドマーケティングと対をなすマーケティング手法です。
つまりインバウンドマーケティングとは、見込み客の方から企業に向かってくるようなマーケティング手法のことを指しているのです。
インバウンドマーケティングでは、見込み客が自発的に検索などの行動を取り、その結果として企業側のメッセージを受け取ります。
オウンドメディアに記事を投稿することで、検索という行動を取った見込み客が、検索結果上に表示されている記事の一覧から、あなたの企業に接点を持ち始めます。
つまりオウンドメディアは、インバウンドマーケティングにおける、ひとつの手段と言えるのです。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、読者にとって価値のあるコンテンツを発信し、見込み客の育成や購買を経て、最終的には企業のファンとして定着させることを目指すマーケティング手法のことを指します。
コンテンツマーケティングにおける「コンテンツ」とは、記事のみではありません。
見込み客にとって価値のある動画やメールなども、コンテンツに含まれます。
つまりコンテンツマーケティングとは、企業が抱える問題や目的を達成するための手段として、動画やメールなども含めた「コンテンツ」に着目したマーケティング手法なのです。
つまり、オウンドメディア(記事・動画) + メールなどのあらゆる手段が、コンテンツマーケティングと言えるでしょう。
インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングについて紹介してきましたので、ここでオウンドメディアとこれらのマーケティング手法の関係性をまとめてみます。
なぜ今、オウンドメディア運営に取り組む企業が増えているのか
この記事冒頭でも紹介したとおり、近年、オウンドメディア運営に取り組む企業が増えています。
しかしなぜ今、オウンドメディア運営に取り組む企業が増えているのでしょうか?
ここでは、オウンドメディア運営に取り組む企業が増えている理由を3つ、紹介していきます。
オウンドメディアの事例10選と成功企業に共通する5つのポイント
企業がオウンドメディア運営に取り組む理由1
消費者が企業から一方的に配信される広告にウンザリしているから
企業は、自社の製品に誇りを持ち「我が社の商品こそ多くの人に使って欲しい!」と思っています。
その熱意を込めて、企業はこれまで、広告などの手法を使って消費者に自社の商品をアピールしてきました。
しかし消費者は、企業から一方的に配信される広告に、ウンザリしています。
GMOメディア株式会社が運営する、10代の女性に向けたメディア「プリキャンティーンズラボ」が行なった調査では、以下のような結果が出ています。
引用元:プリキャンティーンズラボ
この調査では、デジタルネイティブ世代である10代女性の約8割が、インターネット上の広告について嫌悪感を示していたのです。
しかしオウンドメディアでは、自社商品の情報を、その商品を必要としているであろう見込み客にのみ届けることが可能です。
具体的には、オウンドメディア運営で蓄積された見込み客の行動データをもとにすることで、適切な属性の見込み客がよく読む記事から、自社商品の紹介記事に誘導するということができます。
このように企業側からの一方的な広告の配信ではなく、適切な広告を適切な見込み客に届けることで、見込み客に嫌悪感を抱かせずに、あなたの企業の商品を紹介することができるのです。
企業がオウンドメディア運営に取り組む理由2
ペイドメディアへの広告出稿よりも、広告費用が削減できるから
Yahoo! JAPANやニュースサイトなどのペイドメディアに自社広告を掲載するには、莫大な広告費用がかかります。
広告費の一例として掲載しますが、Yahoo! JAPANの広告出稿費用は、以下のとおりです。
引用元:Yahoo! JAPAN
※2022年11月現在 記事は削除されています。
もっともよく目立つ「インプレッション保証型」の広告では、1週間の広告掲載で1,250万円〜の費用がかかることがわかるかと思います。
しかも、広告の掲載期間が終わってしまうと、広告はその時点で誰の目にも触れなくなってしまうのです。
一方でオウンドメディアは、いちど検索結果の上位に表示されると、その順位はなかなか揺らぎません。
検索結果に上位表示されていた記事が、1週間で誰の目にも触れなくなるということは、ほとんど起こり得ないのです。
しかも、検索結果の上位に表示されているからといって、費用がかかるようなこともありません。
まるでインターネット上で大きな商業施設を築いたように、広告費用をかけずともオウンドメディアが見込み客を集客し続けてくれるのです。
もちろん、オウンドメディアの立ち上げや、記事の投稿にかかる人件費などは考慮する必要があります。
しかしそれでも、「1週間でいくら」というペイドメディアへの広告出稿より、オウンドメディア運営の方が、広告費用を大きく削減できるのです。
企業がオウンドメディア運営に取り組む理由3
オウンドメディアは比較的低コストで運営できるから
さきほど「オウンドメディアは広告費を削減できる」というお話をしました。
しかしオウンドメディアも、完全にコストがかからないわけではありません。
オウンドメディアを構築するための費用や、記事を作成するためのコスト。
オウンドメディアのインターネット上に公開するための「サーバー」や「ドメイン」といったコストはかかります。
さきほどお伝えしたとおり、オウンドメディアに携わる社員の人件費も考慮すべきでしょう。
ただしそれでも、他の事業と比較すれば、オウンドメディアは低コストで運営できる事業と言えます。
たとえば、オウンドメディアの公開に最低限必要な「サーバー」や「ドメイン」については、両方を合計しても月々数万円程度に収まります。
具体的なコスト感については別途この記事内で紹介しますが、オウンドメディアの公開に必要な最低限の費用だけを見ても、比較的低コストで運営できると感じていただけたのではないでしょうか?
この章では、オウンドメディアに取り組む企業が増えている理由について紹介してきました。
今、取り組む企業が増えているオウンドメディアですが、オウンドメディア運営という手法自体は、いつ頃から注目され始めたのでしょうか?
次の章では、その疑問に答えていきます。
オウンドメディア運営は、2011年ごろから注目されるようになったマーケティング手法
オウンドメディア運営というマーケティング手法が注目されるようになったのは、スマートフォンやSNSが普及した2011年ごろからと言われています。
スマートフォンの普及により、TwitterやFacebookなどのSNSが多くのユーザーを集めるようになりました。
企業はこれをチャンスと捉え、これらのSNSを自社ビジネスに活用しようとしたのです。
しかし、ソーシャルメディアには「タイムライン」という特徴があり、時間が経つと、発信した情報が埋もれてしまうという問題点がありました。
つまりソーシャルメディアの利用だけでは、発信する情報をストックしたり資産化したりということができなかったのです。
発信した情報を保存し、継続的にユーザーとの接点を確保するために、オウンドメディアは最適です。
そうした経緯があり、2011年ごろからオウンドメディアというマーケティング手法が注目されるようになったのです。
オウンドメディアの事例研究
オウンドメディアを自社に取り入れるにあたって、成功しているオウンドメディアを研究することは、自社のオウンドメディア運営を成功させるためのポイントです。
続いては、オウンドメディアの事例を見ていきましょう。
まず、オウンドメディアには5つの型があり、これらは見込み客の流入経路によって分けられます。
オウンドメディアの5つの型と、その特徴をまとめたものが、以下の表です。
オウンドメディアの型 | 特徴 |
検索流入型(一般記事) | 見込み客は、検索エンジンから流入する。
流入の安定性が高い。 |
検索流入型(ニュース記事) | 見込み客は、検索エンジンから流入する。
ニュース記事を主に取り扱うため、記事の更新頻度が高い。 |
SNS流入型 | 見込み客は、SNSで話題になったコンテンツから流入する。
安定性は低いが、爆発的な流入がある場合も。 |
指名検索流入型 | 見込み客はオウンドメディア自体の名前を検索し、そこから流入する。 |
バランス型 | 上記3つの型にも突出しておらず、検索エンジンやSNSなどのすべてから、平均的に見込み客の流入がある。 |
それぞれの型について、詳しく見ていきましょう。
検索流入型のオウンドメディア
検索流入型は、もっともオーソドックスな型のオウンドメディアです。
見込み客の悩みを解決するような記事を、オウンドメディアのコンテンツとして掲載していきます。
見込み客は、検索エンジンで上位表示されている記事から流入するため、安定した見込み客の流入が見込めます。
検索流入型のオウンドメディアでも、一般的な記事を投稿する型の場合は、あまり頻繁には更新されません。
この型のオウンドメディアは、1ヶ月の間に数記事〜10数記事が投稿されます。
検索流入型に位置付けられる代表的なオウンドメディアを、以下に掲載します。
一方で、ニュース的な記事を投稿する型のオウンドメディアの場合は、頻繁に更新されるのが特徴です。
頻繁に更新されるので、オウンドメディアに訪れた見込み客を飽きさせず、見込み客がリピーターになってくれることもあるでしょう。
この型の場合は、一般的に1日に数記事が投稿されます。
代表的なオウンドメディアを、以下に掲載します。
SNS流入型のオウンドメディア
SNS流入型のオウンドメディアの場合は、SNSで話題を呼べるような、オリジナリティかつ面白みのある記事を投稿する必要があります。
一度爆発的に話題を呼ぶ(バズる)ことができれば、オウンドメディアの知名度は一気に上昇し、それに伴って見込み客の流入も増えるでしょう。
検索エンジンでの上位表示よりも、SNSを中心とした見込み客の流入をメインとして考える型のオウンドメディアです。
代表的なオウンドメディアを、以下に掲載します。
指名検索流入型のオウンドメディア
指名検索型のオウンドメディアは、オウンドメディア自体の名称や、すでに知名度のあるブランド名から見込み客が流入します。
ある程度の知名度があって成立するタイプのオウンドメディアなので、初めからこの型を目指すのは難しいでしょう。
大手企業の場合は、オウンドメディアとしての確立が目指せる型でもあります。
代表的なオウンドメディアを、以下に掲載します。
バランス型のオウンドメディア
検索流入、SNS、指名検索のいずれにも突出しておらず、すべての経路から平均的に見込み客が流入する型のオウンドメディアです。
はじめからバランス型を目指すのは難しいので、まずは上記のいずれかの型でメディアの知名度を高めた後に、検討すべき型です。
代表的なオウンドメディアを、以下に掲載します。
オウンドメディアの事例として、5つの型とその代表的なオウンドメディアを紹介してきました。
オウンドメディアを自社に取り入れる場合は、どの型が適しているかを見極めて運用していく必要があります。
競合他社がオウンドメディアを運営しているのであれば、そのメディアの型を参考にするのもよいでしょう。
「保険 オウンドメディア」や「アパレル オウンドメディア」といったように「自社の商品ジャンル + オウンドメディア」と検索することで、競合他社のオウンドメディアを見つけられます。
オウンドメディアの事例10選と成功企業に共通する5つのポイント
オウンドメディア運営に取り組むときに知っておきたいこと
自社に合いそうなオウンドメディアの型は見つかりましたか?
ここからは、オウンドメディアに取り組むときに知っておいていただきたいことを紹介していきます。
失敗してしまうオウンドメディアの事例も紹介していますので、引き続きお付き合いください。
オウンドメディアの作り方と個人でマネタイズ(収益化)する運用方法を解説
オウンドメディア運営に取り組むときは、コンセプトやゴールなどの戦略が重要
オウンドメディア運営に取り組むときは、まずそのオウンドメディアをどのようなコンセプトで運営するのかを明確にしましょう。
コンセプトとは、全体を貫く基本的な観点や考え方のことです。
「あなたの企業は、なぜオウンドメディアを運営するのか?」
この問いに答えられるような、しっかりとしたコンセプト設計が重要です。
そして、そのコンセプトに対して、どのような情報を記事として発信していくのか?ということも決めておきましょう。
また、そのオウンドメディアを介して、自社が抱えるどんな目標を達成するのか?といった、オウンドメディアの目的(= ゴール)を設定しておくことも重要です。
- オウンドメディアのコンセプト設計
- オウンドメディアのゴール設定
オウンドメディア運営に取り組むときには、この2つの「目的」を、充分に練っておきましょう。
これらの目的が充分に練られていないまま、見切り発車的にオウンドメディア運営を開始してしまうと、オウンドメディアの運営に失敗してしまうかもしれません。
次は、オウンドメディア運営の失敗例を紹介します。
オウンドメディアの失敗例を学び、自社では失敗しないよう、充分に気をつけてください。
オウンドメディアの失敗例
オウンドメディア運営の失敗とは、オウンドメディア経由のお問い合わせが増えなかったり、記事の更新が止まってしまうことを指します。
どの企業も、熱意や意気込みを持ってオウンドメディア運営に取り組んでいるはずです。
それなのになぜ、オウンドメディアの運営に失敗してしまうのでしょうか?
その答えは、以下5つのパターンで説明ができます。
- 誰に向けた情報なのかが明確ではない
- オウンドメディアのコンセプトが決まっていない
- 記事の量が少ない
- 記事の更新が止まる
- 自社商品の宣伝が多い
これらの失敗例について、詳しく見ていきましょう。
オウンドメディアの失敗例1
誰に向けた情報なのかが明確ではない
オウンドメディア全体として、誰に向けた情報なのかが明確ではないと「オウンドメディア内にどんな記事を追加していくのか?」という部分も、明確になりません。
これはつまり、何をしたらよいのか?がわからなくなるということでもあります。
その結果、オウンドメディアの更新が止まってしまうのです。
また、ひとつのオウンドメディア内に、誰に向けたか明確ではない記事がたくさんあると、オウンドメディアに違和感が出てきます。
たとえば、ファッションに興味のある20代女性向けのオウンドメディアに「孫との関係を改善する3つの方法」という記事が投稿されていたら、強い違和感がありますよね?
さらに「最高にカッコいいモデルガン10選」という記事があっても、かなり違和感があると思います。
20代女性の読者は少なくとも、「孫」や「モデルガン」の記事から、何かの行動を起こそうという気にはならないでしょう。
そしてこれらの違和感は、そのオウンドメディアに対する読者の不信感をも招いてしまいます。
このように、誰に向けた情報なのかが明確ではないと、さまざまな混乱を引き起こし、オウンドメディア運営が失敗に向かってしまうのです。
オウンドメディアの失敗例2
オウンドメディアのコンセプトが決まっていない
オウンドメディアのコンセプトが決まっていないと、複数のライターで記事を書くときに、各々でまったく異なる雰囲気の記事になってしまうことがあります。
ひとつのオウンドメディア内で、「だ」「である」のような堅めの語尾を使っている記事もあれば、「だよね」「だと思う」フランクな語尾を使っている記事もあるというような状況になってしまうかもしれません。
こうした状況では、それぞれの記事にまとまりがなく、全体的にバラバラな印象を持たれてしまいます。
その印象は読者に違和感を与えて、オウンドメディアへの不信感を招いてしまうのです。
また、メディア内にある記事同士のコンセプトがバラバラになってしまうと、それを修正する手間も発生します。
これは非常にムダが多く、大変な作業なので、コンセプトは事前に決めておきましょう。
オウンドメディアの失敗例3
記事の量が少ない
オウンドメディアの失敗例として多いのが「記事の量が少ない」ということ。
とくに、記事の数が100を下回っているオウンドメディアは、運営に失敗しがちな傾向が強いです。
弊社も「オウンドメディア構築塾」という個人向けオウンドメディアのコンサルティングを行なっていますが、みなさん、記事数が100を超えたあたりから目立つ成果が出てきます。
逆に記事数が100未満だと、目立った成果が出ないことの方が多いです。
やみくもに記事数だけを増やせばよいという問題でもありませんが、まずは良質な記事を100記事、オウンドメディア内に揃えることから始めてみましょう。
100という数字に明確な根拠はありませんが、オウンドメディアの短所として、検索エンジンから一定の評価を得られるまで「半年間」という期間がかかるとお話ししました。
そして、質の高い記事を100個揃える頃には、そのオウンドメディアは半年以上、継続して運営されていることでしょう。
つまり、質の高い記事を100個揃えられれば、検索エンジンから一定の評価を得られるようになるのです。
そうすることで、オウンドメディア内に投稿した記事が検索結果の上位に表示され、そこから見込み客の流入が増えてくるのです。
オウンドメディアの失敗例4
更新が止まる
オウンドメディアの失敗例でもっとも致命的なのが、この「更新が止まる」ということです。
正直なところオウンドメディア運営は、更新を続けていくことで何かしらの成果が出てきます。
しかし、これまでもお話ししてきたとおり、オウンドメディア運営で成果が出始めるのは、運営開始から半年以上たった頃が一般的です。
逆にそれまでは、オウンドメディア運営による目立った成果が出ないので、更新が止まってしまうことが多々あります。
また、オウンドメディアのコンセプトが決まっていないと「次は何についての記事を書けばいいのか・・・」という問題が常につきまといますが、これも更新が止まる原因のひとつです。
オウンドメディア運営の更新を止めないようにするには
- オウンドメディア運営は、半年以上経ってから成果が出始めることを知っておく
- オウンドメディアのコンセプトを事前に決めておく
という対策が必要です。
オウンドメディアの失敗例5
自社商品の宣伝が多い
前提として、検索という行動をとる見込み客は、商品が欲しくて検索を行なっているわけではありません。
見込み客はただ、自分の疑問や悩みを解決したいだけなのです。
そのような見込み客が、検索の結果、あなたの企業のオウンドメディアを訪れたとします。
しかし見込み客が訪れた記事内で、事あるごとに「こちらがオススメです!」と自社商品を紹介してしまうと、見込み客はウンザリしてしまうでしょう。
すると、見込み客からは「このサイト、広告が多くてウザい」と思われてしまうかもしれません。
その結果、オウンドメディアを何度も訪れてくれるリピーターが減ってしまい、オウンドメディアを運営する利点も減ってしまいます。
自社商品の宣伝は、その商品に興味がありそうな見込み客にだけ、届けるようにしましょう。
自社商品の宣伝を適切に行うには
- 見込み客の行動データの分析
- 自社商品の宣伝ページへ誘導する導線を考えておく
という対策が必要です。
オウンドメディアが失敗してしまう例をひととおり見てきましたが、これらの失敗はすべて、事前の戦略設計が不足していることが原因です。
続いては、オウンドメディア運営に失敗しないための戦略設計について、紹介していきます。
オウンドメディアの戦略設計
オウンドメディアを立ち上げるときの戦略設計は、以下の4工程に分けられます。
- オウンドメディアのコンセプトの設定
- オウンドメディアのゴール(KPI)の設定
- ペルソナの設定
- コンテンツ計画の設定
これら4つの工程について、詳しく見ていきましょう。
オウンドメディアの設計戦略1
オウンドメディアのコンセプトの設定
オウンドメディアのコンセプトとは、
「なんのために、誰に、どのような情報を発信していくのか?」
という部分です。
たとえばこのメディア(月刊副業)は、
「副業に取り組む人の裾野を広げるため、副業に興味がありそうな見込み客に向けて、副業に関する情報を発信する」
というコンセプトで運営しています。
そのためこのメディア内には、副業についての記事はもちろんのこと、家計や節約といった副業に興味がありそうな人が知りたいであろう記事も掲載しています。
しかし「東京都内のオススメカフェ」や「ゴルフ上達のための練習法」などといった、副業に興味がある人が調べるとは思えない内容の記事は、掲載していません。
これはひとえに、オウンドメディアのコンセプトを設定して、そのコンセプトに合うような記事のみを投稿してきたからです。
つまりオウンドメディアにコンセプトを設定しておけば、発信する情報に一貫性ができて、メディアの方向性がブレないのです。
ですので、オウンドメディアに取り組むのであれば、まずはオウンドメディアのコンセプトを設定してください。
また、オウンドメディアの事例研究で紹介したような、オウンドメディアの型も決めておきましょう。
ただし、よほどユニークなアイデアがある場合を除いて、コツコツと丁寧に記事を積み重ねていく「検索流入型(一般記事)」で運営していくことをオススメします。
この型がもっともスタンダードで、しっかりと取り組めば、安定した成果をもたらしてくれます。
オウンドメディアの設計戦略2
オウンドメディアのゴール(KPI)の設定
オウンドメディアのコンセプトが決まったら、次はオウンドメディアのゴールを決めていきましょう。
オウンドメディアのゴールは、KPI(key performance indicator:重要業績評価指標)として扱われます。
オウンドメディアのゴール(KPI)はつまり、オウンドメディアを自社にどう生かすのか?ということです。
オウンドメディアのゴールの一例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 見込み客の獲得と教育
- 顧客との接触を増やす
- 既存顧客に対し、自社へのロイヤルティ(愛着心)を高める
- 企業ブランドの認知度を向上させる
- 業界の中での、自社の影響力を強める
オウンドメディアを運営していく中で、開設当初は想像していなかった効果も出てきます。しかし、ひとまずの目標として「オウンドメディアを使って、自社のどのような課題を解決するか?」というゴールを設定しておきましょう。
ゴールを決めておくことで、そのゴールに対して「どのような期間でどんな記事を作成していくか?」という、自社が取るべき行動も見えてくるでしょう。
オウンドメディアの設計戦略3
ペルソナの設定
オウンドメディア設計戦略の3つ目は、オウンドメディアに訪問するであろう読者像(ペルソナ)の設定です。
ペルソナの設定は、オウンドメディアのコンセプト設計のところでお話しした「なんのために、誰に、どのような情報を発信していくのか?」のうちの「誰に」に該当する部分です。
ペルソナを設定しておくことで、その性別や年齢層が気になること、調べそうなことが明確になってきます。
ペルソナ設定では、主に以下4つの事項から、オウンドメディアの読者像を想定します。
- 年齢
- 性別
- 属性
- 興味・関心
仮に、保険に関するオウンドメディアを運営するのであれば、オウンドメディアの読者像は、以下のように想定することもできるでしょう。
保険に関するオウンドメディアのペルソナ | |
年齢 | 30〜40代 |
性別 | 男性(子供あり) |
属性 | 会社員(主任) |
興味・関心 | 家族でドライブをするのが楽しみ。
最近、お腹が出てきたと感じている。 疲れがなかなか取れないことを気にしている。 |
たとえばここで想定したペルソナは、子供のいるお父さんなので、子供のための保険についての記事が喜ばれるかもしれません。
また、ドライブが趣味ということで、車の保険の乗り換えを検討することもあるでしょう。
つまり、車の保険の比較記事なども喜ばれるかもしれないですね。
このように、ペルソナを設定することで、この人に必要そうな情報が、なんとなく見えてきませんか?
また、オウンドメディアへ多くの見込み客を呼び込むためには、ペルソナの年齢層に幅を持たせるのがポイントです。
実はオウンドメディア運営では、幅広い層の見込み客を呼び込むことも可能なのです。
先ほどの30〜40代男性のペルソナが喜びそうな記事の中で、子供の保険の例を出しました。
しかしたとえ20代でも、子供がいるお父さんなら、子供のための保険が気になって調べることもあるでしょう。
また、子供のためを思い、万が一にそなえて生命保険などの情報も気になるかもしれません。
このように、ペルソナとして設定した人しか検索しない情報というのは、あまり多くないのです。
そのため、ペルソナとして設定する読者像に、ある程度の幅を持たせておきましょう。
そうすることで、発信できる情報の種類も多くなり、多くの見込み客にとって興味のある情報が、あなたの企業のオウンドメディアに蓄積されます。
その結果、多くの見込み客が、あなたの企業のオウンドメディアに訪れるようになるのです。
オウンドメディアの設計戦略4
記事作成計画の設定
オウンドメディア設計戦略の最後は、記事作成計画の設定です。
弊社では主に、読者の状態に応じた記事を用意することをオススメしています。
読者の状態とは、「読者が商品の購買に至るまでの行動の移り変わり」によって示されます。
潜在的なニーズはあるけれども、自分でその状態に気付いていない読者に対しては「トレンド・まとめ記事」という形式の記事で、情報を提供しましょう。
読者が読みたいと思いそうな情報をまとめたものが「まとめ記事」で、読者が気にしていそうな最近の関心ごとを取り扱ったものが「トレンド記事」です。
商品やサービスに興味関心がある見込み客に対しては「リード記事」で情報を提供しましょう。
リード記事の「リード(Lead)」には「〜に導く、案内する」という意味があります。
つまりリード記事とは、自社商品へ案内できるような記事のことですね。
たとえば、自社で紹介したい商品がある場合。
その商品の強みである部分にフォーカスし、どんな人に使ってもらえたら喜んでもらえるか?を再確認します。
そしてその人が、自分の悩みに対して「どんな言葉を使って検索するのか」を考えましょう。
悩んでいるであろう見込み客が使いそうな言葉に対して、悩みを解決できる方法と、それに伴う自社商品の紹介を行います。
こうした内容を取り扱ったものが「リード記事」です。
悩みを解決できるような商品を発見し、購入したいと思った人は、気になった商品を類似商品と比較したり、購入を後押したりして欲しい状態となります。
そのような見込み客に対しては「成約記事」として、いくつかの類似商品と比較したり、自社商品を購入した後に待っている未来を見せてあげたりしましょう。
そのために、他社の類似製品と自社商品を、できるだけ客観的に比較した情報を提供します。
また、見込み客が納得して商品を購入できるように、自社商品の特徴を詳しく紹介することも大切です。
見込み客に「この商品がイチバンよさそう!」と納得してもらえるような情報を取り扱ったものが「成約記事」です。
以上、オウンドメディアの記事作成にあたっては、読者の状態に応じた「トレンド・まとめ記事」「リード記事」「成約記事」という3種類の記事の計画を設定しましょう。
そして、それらの記事をどのように繋げていくかという設定をしておくことも、オウンドメディアを成功させるための設計戦略です。
オウンドメディアの設計戦略がわかったところで、次からはオウンドメディア運営のための具体的な施策を見ていきましょう。
まずは、オウンドメディアの顔ともいえる「オウンドメディアの名前の決めかた」から紹介していきます。
オウンドメディアの名前は、覚えやすいものを
オウンドメディアの名前は、発信する情報と一貫性があり、覚えてもらいやすいものにしましょう。
具体的には、そのメディアに掲載されている記事の内容がイメージでき、7文字以内の短めなものが好ましいです。
- 月刊副業
- 旅行の達人
- お金の先生
一例を挙げますと、このようなメディア名なら、発信する情報も想像できますし、覚えやすいと思います。
そのほか、社名に何かを加えたものや、テーマ・コンセプト重視のメディア名もあります。
オウンドメディアの名前の参考として、これからいくつかのメディアを紹介しますが、これから紹介するメディア名は、必ずしも7文字以内ではありません。
しかし、語呂がよかったり、どんな情報を発信しているかが明確になっているメディア名ですので、参考にしてみてください。
社名に何かを加えたメディア名
H&M JP
テーマ重視のメディア名
コンセプト重視のメディア名
オウンドメディアには、企業やメディア自体のリピーターを確保する役割もあります。
そのためメディア名は「長すぎず、覚えてもらいやすいもの」という基準で考えるとよいでしょう。
オウンドメディアのドメインは、ローマ字で取得する
「ドメイン」とは、オウンドメディアのインターネット上における「住所」を指します。
月刊副業であれば「https://gekkan-fukugyou.jp」というインターネット上の住所に、このメディアが存在しているということです。
オウンドメディアを開設するにあたっては、まずこの「ドメイン」が必要です。
住所(土地)がければ建物が建てられないように、ドメインがないと、オウンドメディアなどのウェブサイトも開設できないのです。
月刊副業はローマ字のドメインとなっていますが、実はこのドメイン、日本語のものも取得できます。
当メディアを例にすると「月刊副業.jp」というドメインになるでしょう。
「ローマ字の羅列よりも、日本語の方がわかりやすい!」
と思うかもしれませんが、インターネットは英語圏で発達したため、完全に日本語対応というわけではないのです。
具体的には、日本語のドメインをシェアしたとき、なぜか「xn--」から始まる英数字の羅列になってしまうのです。
この英数字は「Punycode:ピュニコード」と呼ばれており、英語圏で発達したインターネットを日本語に対応させるための技術です。
しかし、読者からしてみれば、ただの英数字の羅列にしか見えません。
たとえば「月刊副業.jp」をピュニコードで表示すると「xn--obr8iz87ceic.jp」となるのですが、この英数字を見て「ほう、月刊副業.jpだな」と理解できる人はいないでしょう。
意味のわかならい英語の羅列よりは「gekkan-fukugyou.jp」というように、ローマ字で「月刊副業」と読めるような英数字のほうが、読者に覚えてもらいやすく、シェアもしてもらいやすくなります。
そのため、特別な理由がない限り、オウンドメディアのドメインはローマ字で取得するようにしましょう。
ドメインとは?その意味をWeb初心者でもサクッとわかるようにイラストで説明
オウンドメディアの立ち上げは「CMS」の利用がおすすめ
オウンドメディアは、ホームページのように作って終わりというものではありません。
オウンドメディアに含まれる記事の検索順位を向上させ、また維持し続けるためには、記事を更新し、メンテナンスをしていく必要があります。
そのため、オウンドメディア立ち上げのときから、自社内で管理しやすい「CMS」を利用するのがオススメです。
CMSは、コンテンツ・マネジメント・システムの頭文字をとったもので、ウェブサイトを更新・管理するためのシステムのことを指します。
このCMSがあることで、インターネットの技術に詳しくない人でも、まるでブログを更新するように、オウンドメディアを更新・管理できるのです。
オウンドメディアを立ち上げるときは、ウェブ制作会社に依頼すれば、自社専用のCMSを用意してもらうこともできるでしょう。
この場合、価格の相場は初期費用で200万円、その他月々の更新費用として10万円程度が必要です。
参考:オウンドメディア構築〜運用の最新相場調査:2018年3月版
また、自社にエンジニアがいる場合や、ウェブデザインやSEOに詳しい従業員がいる場合は、WordPressという無料のCMSがオススメです。
WordPressは「テーマ」というウェブサイトの雛形が充実しており、この「テーマ」を活用すれば、比較的簡単にオウンドメディアを構築できます。
ただし、雛形(テーマ)があることで、他のウェブサイトとデザインが似通ってしまう場合もあります。
自社のメディアとして独自性を出すためには、テーマを自作するか、既存のテーマに手を加える必要があるのです。
そのため、WordPressに既存のテーマを活用する場合でも、エンジニアの協力が不可欠です。
無料のオウンドメディア構築サービスではダメなの?
近年、無料のオウンドメディア構築サービスが、いくつか誕生しています。
無料でオウンドメディアが運営できるということで、ありがたいサービスではあります。
しかし結論としては、無料のオウンドメディア構築サービスはおすすめできません。
なぜなら、無料のオウンドメディア構築サービスは、デザインの自由度がなく、こちらの意図しない広告が記事内で強制的に表示されるからです。
これはつまり、競合他社の広告が、あなたの会社のオウンドメディアに表示されてしまう可能性もあるということです。
そんなことは、絶対に避けたいですよね?
企業としてしっかりとオウンドメディアを運用したいのであれば、無料のオウンドメディア構築サービスではなく、独自ドメインやレンタルサーバーを利用したメディア構築がおすすめです。
オウンドメディア運営におけるデザインのポイント
オウンドメディアの制作をウェブ制作会社に依頼する場合でも、自社内で行う場合でも、おさえておきたいデザインのポイントがあります。
そのポイントは、以下の5つです。
- レスポンシブデザインに対応する
- メディアのコンセプトに合ったデザインにする
- メディア内の回遊性を意識する
- 各種SNSボタンの設置する
- 行動喚起のメッセージを配置する
これらのポイントを、順に詳しく見ていきましょう。
WordPressテーマのおすすめ25選!【無料19個と有料6個】
オウンドメディア運営におけるデザインのポイント1
レスポンシブデザインに対応する
レスポンシブデザインとは、画面サイズによってウェブサイトのデザインが変わるデザイン設計のことです。
パソコンで見る人に向けては、パソコンで見やすいデザイン。
スマホで見る人に向けては、スマホで見やすいデザインにしておく必要があります。
最近は、スマートフォンで検索をする人も非常に多いです。
当メディアのアクセス解析を見ても、訪れる読者の約7割がスマホで検索した人だというデータが出ています。
※図中の青はモバイル、緑はパソコン、オレンジはタブレット端末です。
そのため、スマートフォンでの表示に適した「レスポンシブデザイン」への対応は、必須といえるでしょう。
オウンドメディア運営におけるデザインのポイント2
メディアのコンセプトに合ったデザインにする
オウンドメディアの戦略設計で、コンセプトやペルソナを設定しました。
オウンドメディアのデザインは、これらの条件に沿ったものにしましょう。
たとえば、若い女性向けのメディアであれば、原色が多めの色使いなど、比較的明るいイメージのデザインが好まれるでしょう。
対して、大人の女性向けのメディアであれば、落ち着いた色合いのデザインが好まれると思います。
見た目の派手さやギミックに惑わされず、オウンドメディアで発信する情報や、見込み客のペルソナに好まれそうなデザインにすることが大切です。
オウンドメディア運営におけるデザインのポイント3
メディア内の回遊性を意識する
メディア内の回遊性とは、ひとつの記事を読んだ読者が、メディア内の他の記事へアクセスする際の利便性です。
読者に「他の記事も読もう」と思ってもらえるようなデザインにしておきましょう。
具体的には、オウンドメディア上部に配置されるメニューや、記事の横に並ぶ「サイドバー」と呼ばれるエリアに、読者が興味をもちそうな記事を配置しておきましょう。
オウンドメディアの回遊性は「どこに何があるのか?」がわかりやすいデザインにすることで、最適化できます。
また、関連性の高い記事と記事同士をつなぎ、行き止まりをつくらないことで、オウンドメディアの回遊性を高められます。
メディア内の記事をいくつも読み、それらの記事の内容が、その読者の役に立つものであった場合、その読者は「ブックマーク」という行動を取ってくれるかもしれません。
そうすると、その読者はオウンドメディアのリピーターとなり、自社商品の購買や問い合わせに繋がりやすくなるでしょう。
オウンドメディア運営におけるデザインのポイント4
各種SNSボタンの設置する
オウンドメディア内に各種のSNSを設置しておけば、読者が「これ、いい記事!」と思ったときに、自分のアカウントでシェアし、拡散してくれます。
影響力の大きい読者がシェアしてくれれば、その記事が爆発的な人気になるかもしれません。
その他にも、SNSボタンにシェア数が表示されることで、その記事の人気度を数字でアピールすることもできます。
SNSボタンで客観的な数字を表示しておくことで、あなたの会社のオウンドメディアに初めて訪れた読者にも、
「みんながいいって言ってるから、この情報役に立ちそう!」
と思ってもらえるかもしれません。
もちろん記事の内容はしっかりとしていることが前提ですが、その人気度を数字で明示することで、読者は記事の内容に納得しやすくなるでしょう。
それはつまり、自社商品の購買にも繋がってくるものです。
あまり目立つものではありませんが、各種SNSボタンの設置も、オウンドメディア運営におけるデザインのポイントといえるでしょう。
オウンドメディア運営におけるデザインのポイント5
行動喚起のメッセージを配置する
オウンドメディア運営では、強い売り込みをしません。
ただし慈善事業でもありませんので、自社商品を適切にアピールする必要があります。
オウンドメディアではよく、記事の最下部にCTA(コール・トゥ・アクション)という場所を設け、そこで自社商品の紹介記事へのリンクを配置しています。
記事の最下部は一般的に、記事の内容を読み込んだ熱心な読者が目にする場所です。
そこで適切に自社商品をアピールすることで、自社の売り上げやお問い合わせに繋がるでしょう。
また、あえて記事本文と独立させることで、行動喚起のメッセージをより際立たせ、目立たせることができるのです。
そのため、必要な時に必要な行動喚起ができるようなデザインにしておくのも、オウンドメディア運営におけるデザインのポイントです。
ここまでは、オウンドメディアの設計戦略からデザインまで、オウンドメディアを開設する前に知っておきたい概要について紹介してきました。
ここからは、実際にオウンドメディアへ取り組む際の実務について紹介していきます。
オウンドメディアを任された担当者はもちろんのこと、オウンドメディアを自社に採用するかどうかを判断する上役の場合も、工程の確認のために役立つ内容となっております。
引き続き、お付き合いください。
オウンドメディア運営に取り組むための実務
自社でオウンドメディア運営に取り組む前に、まずは自社のウェブサイトがあるかどうかを確認しましょう。
もし、「本格的なウェブサイトは初めて作るんだけど・・・」
という場合は、サーバーの契約やドメインの取得が必要かもしれません。
オウンドメディアを含むウェブサイトと、サーバー・ドメインの関係は、以下のような図で表すことができます。
自社にウェブサイトがある場合は、オウンドメディア運用の進行管理まで読み飛ばしてください。
サーバーの契約
オウンドメディアを開設し、インターネット上で公開するには「サーバー」が必要です。
サーバーとは、インターネット上に公開するデータを保存し、全世界に公開するための機能に特化したパソコンを指します。
そのため、オウンドメディアを含むすべてのウェブサイトは、この「サーバー」をとおしてインターネット上に表示されるのです。
サーバーには、さまざまな特殊技術が使われているため、自社で用意するのは現実的ではありません。
サーバーを提供している専門の企業があるため、その企業のサービスを利用するのが一般的です。
こうしたサービスは「レンタルサーバー」と呼ばれ、このサービスを契約することで、オウンドメディアをインターネット上で公開できるようになるのです。
レンタルサーバーには、個人が利用するようなものから、企業が巨大なオウンドメディア運営を行うためのものまで、さまざまな種類があります。
しかし企業としてオウンドメディア運営に取り組むのであれば、企業向けのレンタルサーバーサービスの利用がオススメです。
ただ、どのレンタルサーバーが企業向けなのかは、あまり見分けがつかないかもしれません。
そこでこれから、企業向けとしてオススメできるレンタルサーバーを2つ、紹介していきます。
企業向けのオススメレンタルサーバー1
CPIレンタルサーバー
CPIレンタルサーバー
セキュリティやバックアップなど、企業のオウンドメディア運営に嬉しいサービスが満載。
なにより、大手企業のKDDIが運営しているということで、その信頼感は抜群です。
レンタルサーバーというサービス自体が聞きなれないものかもしれませんが、KDDIが運営しているということで、オウンドメディアの企画をとおす際に、上司も説得しやすくなるでしょう。
CPI(12ヶ月契約時) | |
初期設定費用 | 0円 |
月額費用 | 3,800円+消費税 |
企業向けのオススメレンタルサーバー2
シックスコア
個人向けのレンタルサーバーサービスとして、コストパフォーマンスのよさから非常に人気の高い「エックスサーバー」。
シックスコア
エックスサーバー株式会社という、レンタルサーバー専業の企業が運営しているサービスです。
コストパフォーマンスが非常に高いのですが、KDDIのような大企業と比較すると、レンタルサーバー専業のエックスサーバー株式会社は、知名度が高くありません。
オウンドメディアの企画について、あなたが指揮できる立ち場であれば、シックスコアを検討してみるのもよいでしょう。
シックスコア(12ヶ月契約時) | |
初期設定費用 | 6,000円+消費税 |
月額費用 | 1,800円+消費税 |
【厳選】WordPressが簡単に利用できるレンタルサーバー比較27選!
ドメインの取得
自社のオウンドメディアをインターネット上で公開するには、レンタルサーバーに加えて「ドメイン」も必要でしたね。
ドメインの取得は、ドメイン取得代行サービス(レジストラ)を経由して行います。
ドメイン取得代行サービスによって、同じドメインでも取得価格は多少変わりますが、ほぼ同じといって差し支えありません。
またドメインは、レンタルサーバーと違い、オウンドメディアの運営に対して機能的に影響がないものです。
そのため、ドメイン取得代行サービスを運営する企業の知名度や、管理画面の使いやすさで、どのドメイン取得代行サービスを利用するかを決めましょう。
オススメのドメイン取得代行サービス1
お名前.com
お名前.com
GMOといえば、東証一部上場企業ですので、知名度は抜群です。
管理画面は若干重く、少し使いづらい印象もありますが、ドメイン取得費用は比較的安めの印象です。
お名前.com | |
ドメインの種類 | ドメインの取得費用 |
.com | 1,280円+消費税 |
.net | 1,480円+消費税 |
.co.jp | 3,780円+消費税 |
.jp | 2,840円+消費税 |
.org | 1,480円+消費税 |
※各種キャンペーンにより、ドメイン取得価格が上記よりも安い場合があります。必ず公式サイトでご確認ください。
オススメのドメイン取得代行サービス2
エックスドメイン
レンタルサーバーのところで紹介した「シックスコア」を運営している、エックスサーバー株式会社が提供しているドメイン取得代行サービスです。
エックスドメイン
レンタルサーバーとしてシックスコアを選択する場合、エックスドメインは使いやすいドメイン取得代行サービスといえるでしょう。
バリュードメイン | |
ドメインの種類 | ドメインの取得費用 |
.com | 1,180円+消費税 |
.net | 1,280円+消費税 |
.co.jp | 2,580円+消費税 |
.jp | 2,820円+消費税 |
.org | 1,380円+消費税 |
※各種キャンペーンにより、ドメイン取得価格が上記よりも安い場合があります。必ず公式サイトでご確認ください。
レンタルサーバー15社比較!WordPressに合うのは!?
CMSの設置
先に紹介したとおり、オウンドメディア運営においては、自社で更新や管理がしやすいCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の利用がおすすめです。
CMSは、ウェブサイトを構築するためのシステムのひとつなので、これをサーバーに設置する作業を行う必要があります。
オウンドメディアの構築を自社で行う場合は「WordPress」というCMSがオススメです。
2017年末時点で、CMSにおけるWordPressのシェア率は84.2%といわれており、ほぼ1強状態のCMSです。
WordPressは、以下のようなさまざまな企業・団体・研究教育機関のホームページでも採用されています。
WordPressをサーバーへ設置するには、サーバーの機能のひとつである「かんたんインストール」などの機能を使いましょう。
「かんたんインストール」は、契約したサーバーによって、呼び名が違います。
しかしどのような呼び名でも、WordPressをクリック操作と少しの文字入力でサーバーに設置してくれる機能であることに変わりはありません。
この機能を使うことで、専門的な知識がなくとも、サーバー上にCMS(WordPress)を設置できるのです。
また、オウンドメディアの構築を専門業者に依頼する場合は、CMS形式で作成してもらえるよう、オウンドメディア構築の発注前に確認と依頼をしておきましょう。
この場合は、WordPressで構築する場合と、その制作会社オリジナルのCMSで構築する場合があります。
「オウンドメディアは、必ずWordPress!」とこだわる必要はありませんので、オウンドメディアを構築するCMSは、制作会社にお任せした方がよいでしょう。
オウンドメディア運用の進行管理
オウンドメディアは、半年以上の長い期間に渡って運用し、徐々にその効果が出てくるものです。
逆にいえば、効果が出てくるまで「ちゃんと進んでいるの?」という部分が見えにくい業務でもあります。
そのため、あらかじめオウンドメディア運用における進行管理を整えておくと「今、どれくらい順調に進んでいるのか?」や「いつまでに何を整えておく必要があるのか?」などが明確になります。
オウンドメディアの運用チームはもちろんのこと、対外的にもオウンドメディア運用の遂行状況をを示せる指標となるので、進行管理はきっちりと行なっておきましょう。
マインドマップの利用
オウンドメディアを運用するにあたり、まずはコンセプトやテーマ、コンテンツの企画などを行います。
このときに便利なのが、マインドマップです。
マインドマップに、オウンドメディアのコンセプトやテーマ、どのようなコンテンツを用意するのかを書き出しましょう。
オウンドメディアの前提条件を書き出すようなイメージですね。
この作業を行うことで、そのオウンドメディアの全体的な構造や、記事同士の繋がりが明確になります。
オウンドメディアの構造を、はじめに個人やチーム全体で理解しておくことで、各個人が同じコンセプトやテーマを意識した記事作りができるようになるでしょう。
また、何か判断に困ったときも、マインドマップがその判断を助ける指標となるでしょう。
代表的なマインドマップは、以下の2つです。
MindMeisterは無料でもオンラインで使えるのに対し、XMindは無料ではオンラインで作業できません。
そのため、オウンドメディアのコンセプトなど、みんなで意見を出し合うような場面ではMindMeisterが使いやすいでしょう。
エディトリアルカレンダーの利用
エディトリアルカレンダーとは「いつまでに何を行なっておくか?」といった、オウンドメディア運用における進行管理を助けるものです。
基本的には、マインドマップで作成したコンテンツの企画などをもとに、このエディトリアルカレンダーを作成していくこととなります。
エディトリアルカレンダーは、ウェブマーケティング企業がサービスの一環として無料で提供している場合が多いです。
econteやinnovaといった企業が、使いやすいエディトリアルカレンダーを提供しています。
econte
innova
オウンドメディアのSEO対策
オウンドメディアに見込み客を集めるためには、SEO対策と呼ばれる施作が必要です。
SEOとは、Search Engine Optimizationの頭文字を取ったインターネットマーケティング用語で、「検索エンジン最適化」という意味があります。
検索エンジン最適化を行うことで、あなたの企業のオウンドメディアに投稿された記事が、検索結果の上位に表示されるのです。
とはいえ、具体的なイメージが湧かないかもしれませんし、SEO(検索エンジン最適化)対策という言葉に、難しそうな印象を持ったかもしれません。
しかし「検索エンジン最適化」とは、検索エンジンを使う人にとって、使いやすさを向上させるためのもの。
つまりSEO対策とは、情報が欲しい人の気持ちになって記事を作成できれば、おのずとその記事が検索結果の上位に表示されるという、意外と単純なことなのです。
なぜなら、情報が欲しい人の気持ちになって書かれた記事は、その情報を求めている人にとって便利な記事なわけですからね。
とはいえ、ここまで紹介してきたSEO対策についてのお話は、少し抽象的だったと思います。
ここからは、何をどうすることが具体的なSEO対策になるのか?について見ていきましょう。
オウンドメディアのSEO対策1
記事のテーマ(キーワード)の選定
SEO対策の基本といえば、記事のテーマ(キーワード)の選定です。
これはつまり、どんなテーマについて記事を書くのか?ということです。
たとえばこの記事は「オウンドメディア」という、比較的広めのテーマについて記事を書いています。
キーワードとは、見込み客を含む消費者が、検索するときに使いそうな言葉のこと。
つまり私たちが普段検索するときに使う言葉も「キーワード」です。
よく使われるキーワードを使って見込み客が検索した時に、あなたの企業のオウンドメディアの記事が上位表示されていることによって、その見込み客があなたのオウンドメディアに訪れるのです。
キーワード自体は無限にありますが、多くの人によく使われるキーワードもあります。
そのようなキーワードは、1ヶ月でどれくらい検索されているのか?という推定ができるのです。
たとえば、以下のウェブサイトにキーワードを入力することで、そのキーワードが1ヶ月間にどれだけ検索されているのかを知ることができます。
キーワードの選定については、オウンドメディアの成長段階に合わせて、どのキーワードで上位表示を狙うのかを決めます。
弊社では、オウンドメディアの運用開始時点から3ヶ月までは、月間の検索数が100〜1,000以下のキーワードを狙うことをおすすめしています。
3ヶ月目以降には、月間の検索数が1,000〜10,000程度のキーワードでも、積極的に上位表示を狙っていきましょう。
このように上位表示を狙うキーワードを段階的に決めていくことで、オウンドメディアへ徐々にアクセスを集められるようになります。
関連キーワード検索優秀ツール7選!有効活用して上位表示させる方法
オウンドメディアのSEO対策2
記事に対して適切な記事タイトルをつける
「その記事にはどのような内容が書かれているのか?」がひとめでわかるような記事タイトルをつけましょう。
以下3つは、この記事を例にした記事タイトルです。
検索結果に表示されたとき、より「読みたい!」と思う記事はどれでしょうか?
- ウェブマーケティングについて
- オウンドメディアについて
- オウンドメディアとは何か?その意味と役割、自社への取り入れ方
おそらく、一番下の記事タイトルが、もっとも読みたくなるのではないでしょうか?
これは、一番下の記事タイトルが、自社への取り入れ方など「具体的に何が書かれているのか?」がわかるものとなっているからです。
一方「〇〇について」という記事タイトルでは「具体的に何が書かれているか?」が、いまいちイメージできません。
そのため、適切な記事タイトルとはいえないでしょう。
また、記事の内容とは関係ない言葉を使った記事タイトルも、適切な記事タイトルとはいえません。
情報が欲しい人に対して、どんなタイトルを書けば自社の記事を見てくれるか?を考えて、記事の内容と照らし合わせた適切な記事タイトルをつけるようにしましょう。
オウンドメディアのSEO対策3
記事の内容を端的にまとめた「ディスクリプション」を記載する
記事の内容を端的にまとめたものを「ディスクリプション(説明)」と呼びます。
検索結果に表示されるのは、記事タイトルとディスクリプションです。
オウンドメディアを運営するにあたって、消費者は、基本的に忙しいと考えましょう。
自分で、何か調べ物をするときを思い浮かべてください。
検索結果に表示された記事を、ひとつひとつ確認していくようなことはありませんよね?
これと同様に、多くの見込み客は、記事タイトルとディスクリプションを眺めて、気になることが書かれていそうな記事をクリックして中身を確認します。
そのため、記事タイトルと同じように、ディスクリプションも適切に記載しておきましょう。
オウンドメディアのSEO対策4
記事内で適切な見出しをつける
記事の中でも、内容が切り替わる場所などに「見出し」として、ラベルをつけてあげましょう。
本でいうところの「章」をイメージしてもらうと「見出し」を使うタイミングがわかりやすいかもしれません。
記事内で適切な見出しをつけることで、記事を読む人は「この部分には、こんなことが書かれているんだ」とひとめで把握できます。
また一般的に、記事の中に目次を追加する場合は、この見出しをベースとした目次が表示されます。
このように見出しは、記事のわかりやすさを左右する重要な要素です。
見出しの下に続く文章の内容を、端的な言葉で「見出し」として記載しましょう。
オウンドメディアのSEO対策5
記事内に掲載する画像の詳細情報を、適切に記載する
オウンドメディアに掲載する画像には、その画像に関する詳細情報を記載できます。
具体的には、その画像が何を示しているのか?を、言葉で記載しましょう。
一般的には、その画像が含まれる見出しで使っている言葉を使うことで、効果的なSEO対策が施せるといわれています。
たとえば、上記の画像に対して、詳細説明に「オウンドメディア SEO対策 画像 詳細情報」などという言葉を記載します。
画像の詳細情報は、画像が表示されなかった場合や、目が不自由な方に対して、本来どんな内容の画像が掲載されていたのか?を示すものです。
画像への詳細情報の追加は、オウンドメディアをより多くの人が使いやすくするための施策なので、ぜひ行っておきましょう。
オウンドメディアのSEO対策6
ユーザーの「なぜ」に答え「なに」という疑問を残さない
オウンドメディアに掲載する記事では、ユーザーの「なぜ」に答え「なに」という疑問を残さない内容になるよう、心がけましょう。
記事では、何かしらの主張を行うはずです。
たとえば、先ほどの見出しでは「その画像が何を示しているのか?を、言葉で記載しましょう。」というような主張を行いました。
そのうえで「画像の詳細情報は〜ぜひ行っておきましょう。」という理由づけを行っています。
しかし主張だけ語られ、その理由が解説されていなかったら、あなたはどう思うでしょうか?
その主張を信じてよいものか、疑問を抱くのではないでしょうか?
消費者や見込み客も、基本的にはあなたと同じです。
主張に対しての理由づけがなければ、その主張に疑問を抱きます。
自分自身に置き換えたとき、疑問を抱いた状態で、購入などの行動をとるでしょうか?
おそらく、その疑問が解消できないと、次の行動を起こさないことがほとんどです。
そのため、記事内で主張をおこなったときは、必ずその理由を説明する必要があります。
また、記事中で専門用語などを使う場合は、その解説も行っておきましょう。
意味がわからない専門用語が出てきた場合、あなたはどうしますか?
おそらく、その言葉の意味を先に知りたくなってしまうのではないでしょうか?
そうなってしまうと、見込み客はあなたのオウンドメディアの記事を離れ、言葉の意味を検索しに行ってしまうかもしれません。
検索の結果、言葉の意味がわかったとしても、見込み客がまた記事に戻ってきてくれるかの保証はありません。
見込み客が記事に集中できるよう「なに」と思いそうな専門用語は、使わないか、解説を入れるようにしましょう。
オウンドメディアのSEO対策7
見込み客が使う言葉を意識する
オウンドメディアに投稿する記事では、見込み客が使いそうな言葉づかいを、記事内でも使うように心がけましょう。
たとえば、ビジネスマンに向けた記事が「だよね〜」や「じゃないかな?」という若者的な言葉づかいで書かれていると、違和感がありますよね?
若い女性向けの記事に「だ」や「である」のような、お堅い言葉も適切ではないでしょう。
見込み客が普段使っているような言葉で書かれていない文章は、見込み客にとって違和感を覚えるものです。
違和感を覚える文章は、その文章の信頼感を弱めます。
そのため、オウンドメディアに投稿する記事は、見込み客が使う言葉を意識して執筆するようにしましょう。
コンテンツの作成方法
自社で記事を作成する場合
オウンドメディアに投稿する記事などのコンテンツを自社で作成する場合は、以下2通りの方法に分かれます。
- あなた自身が記事を執筆する
- ほかの社員に記事を執筆してもらう
また、あなた自身も執筆しながら、他の社員にも同じように記事を執筆してもらうということもできます。
ここから紹介する内容は、いずれの場合でも有効なコンテンツの作成方法ですので、ぜひお付き合いください。
あなた自身が記事を執筆する場合
あなた自身が記事を執筆する場合、もしあなたがこれまで記事を書いた経験がないのであれば、なんでもいいので、まずはパソコンを使って記事を書いてみましょう。
なにごとも「慣れ」は必要です。
記事作成も、慣れれば記事がスラスラと書けるようになります。
あなたは、自転車をはじめから乗りこなせたでしょうか?
おそらく、なんども転んで失敗する中で、徐々に自転車の乗り方をマスターしたのだと思います。
自転車の例と同様に、記事執筆をスラスラと行うには、数をこなして訓練をする必要があるのです。
ですので、まずは「パソコンを使って記事を書く」という経験を積みましょう。
記事を書いてみるときは、MicrosoftのWordでもよいですし、Googleのドキュメントを使ってもよいでしょう。
参考までに、弊社ではGoogleドキュメントを使用しています。
Googleドキュメントには「共有機能」があるため、チーム全体で記事のチェックなどができて、とても便利です。
ほかの社員に記事を執筆してもらう場合
ほかの社員に記事を執筆してもらう場合は、結果を急かさないことが大切です。
記事執筆を依頼した社員が、記事の執筆に慣れていなければ、ひとつの記事を書くのに数日かかってしまうこともあるでしょう。
しかしこれも慣れの問題で、記事執筆の経験を積めば、記事を書く速度は誰でも早くなります。
また、近年では記事の量よりも、むしろ1記事ごとの「質を高める」ことが重要視されています。
当然ですが、質の高い記事の方が、見込み客からよい評価を得られます。
結果として、検索エンジンからの評価(検索結果での上位表示)にもつながってきますので、記事を執筆してくれる社員には、結果を急かさないようにしましょう。
記事執筆に携わる社員に対して、オウンドメディアや記事執筆に関連する書籍を提供することも大切です。
新聞の書き方が特有であるように、インターネット上の記事にも、それ特有の書き方があります。
やみくもに記事を書くよりも、インターネット上の記事特有の書き方を学びながら記事を執筆した方が、その社員の成長も早くなるでしょう。
この記事でも何度かお伝えしましたが、オウンドメディア運営は、時間をかけて取り組むものです。
記事を執筆する社員が、オウンドメディアに集中できる時間をしっかりと確保し、オウンドメディアを着実に育てていく姿勢を持ちましょう。
その姿勢が、よい記事を執筆し、オウンドメディア運営を成功に導くカギです。
コンテンツの作成方法
記事作成を外注する場合
社内の人員の都合などで、記事作成が可能な社員が確保できない場合もあるでしょう。
そのような場合は、記事作成を外注するという方法もあります。
以下のようなサービスを使うことで、記事作成を外注できます。
ただし記事作成を外注する場合でも、誰かをオウンドメディアの担当者として決め、30記事程度は執筆しておいた方がよいでしょう。
なぜなら、記事を外注したとき、記事をひとつも執筆したことがない社員では、納品された記事の質が高いかどうかの判断がつかないからです。
さまざまな理由で、記事作成にさける人員がいない場合も多いと思います。
しかし最低限の記事の書き方と、その良し悪しがわかる社員は、育成しておきましょう。
もし会社としてその余裕もない場合は、オウンドメディアを開設しても、その運営は行き詰ってしまうかもしれません。
また、自社の商品を紹介するような記事は、社内の人間が書くべきです。
記事を外注する人が優秀でも、あなたの会社の商品については、まったくの素人です。
商品の購入を検討している人は、あなたの会社がどれだけその商品に想いを込めているのかという部分も見て、最終的な判断を下します。
つまり、自社商品の紹介については「自社がその商品にどれだけ感情を込めているか」という部分を、見込み客にしっかり伝える必要があるのです。
抽象的な表現になってしまいますが、人は論理だけでなく、感情で行動を起こすものです。
普段は記事の作成を外注する場合でも、自社商品の魅力を見込み客にきちんと伝えるために、自社商品の紹介記事は社内の人間が執筆するようにしましょう。
これらのことから、記事作成を外注する場合は
- 自社の社員が30記事程度を執筆し、記事作成の概要をつかむ
- 記事作成を外注する
- 自社の社員が、納品された記事をチェックする
という流れで行うと、オウンドメディアでの記事作成がスムースに行えるでしょう。
ランサーズとクラウドワークスの違いを比較!初心者ならどっちがいい?
コンテンツ拡散のための、ソーシャルメディアやプレスリリースの活用
オウンドメディアに投稿した記事などのコンテンツは、ソーシャルメディアやプレスリリースを活用することにより、世間に広く認知されます。
ソーシャルメディアを活用する場合には、自社が所有しているSNSアカウントに、記事を投稿したことをシェアしましょう。
その際は、記事の内容がわかるような画像とともに、思わずタップしたくなるような概要文を掲載しましょう。
また、プレスリリースを配信することも効果的です。
プレスリリースはもともと、報道関係者に向けた情報発信に使われるものでした。
しかし近年は、プレスリリースのウェブ配信サービスも増えたため、発行されたニュースが、一般の消費者の目にも触れやすくなっています。
プレスリリース配信サービスはいくつかありますが、@PressやPR TIMES、News2uなどが有名です。
@Pressは、記事になりやすさ国内No1の呼び声が高いプレスリリース配信サービスです。
徹底的な顧客対応がウリで、プレスリリース原稿を丁寧に校正し、目に留まりやすい情報として配信してくれます。
プレスリリース1本あたりの値段は、3万円〜となっています。
PR TIMESは、上場企業も多数利用している、国内シェアNo1のプレスリリース配信サービス。
プレスリリース1本あたりの値段は3万円〜となっているほか、定額プランもあります。
News2uは、広報担当者が抱えるプレスリリースなどの課題を解決するというコンセプトのもと、運営されているプレスリリース配信サービス。
コンセプトのとおり、伝わりやすいプレスリリースを書くためのテンプレートや、原稿チェック・アドバイスサービスもあります。
当メディアもプレスリリースを活用したことがあり、そのときは@Pressを利用しました。
ここまでは、自社で行うオウンドメディア運営において、発生する実務とその実践法を紹介してきました。
しかし、自社内にオウンドメディアを構築・運用できるノウハウや、それを遂行できる社員がいない場合も多いでしょう。
そうすると、オウンドメディアの構築や運用を、制作会社へ外注する必要があります。
その際、いくつかの注意点をおさえておかないと、あとから「そんなつもりじゃなかったのに・・・」という事態に陥ってしまうことも。
そこでここからは、オウンドメディアの構築から運用までを外注する場合の注意点について、紹介していきます。
オウンドメディアの構築から運用までを外注する場合の注意点
「オウンドメディアを自社にも取り入れたい!でも、ノウハウもまったくないし、人員の確保も難しい・・・」
そんなときは、オウンドメディアの構築から運用までを、制作会社に外注しましょう。
ただしその際、以下3つの事項については、充分に理解し、注意を払っておく必要があります。
- オウンドメディアの運用を、制作会社に丸投げしてはいけない
- オウンドメディアの運用を外注するときは、マーケティングにも精通した企業を選ぶ
- オウンドメディアの発注にあたって、確認しておくべき3つの事項
これらの事項について、詳しく見ていきましょう。
オウンドメディアの運用を制作会社に丸投げしてはいけない
オウンドメディアの構築・運用を請け負う制作会社は、オウンドメディアの構築やSEO対策に関しての知識・スキルがあります。
しかし、あなたの会社のビジネスに関する具体的なノウハウなどについては、その知識やスキルがありません。
つまり制作会社としても、オウンドメディアを発注するこちら側の意図がわからなければ、オウンドメディアをどのように制作すればよいのか検討もつかないのです。
そのためには、オウンドメディアを発注するこちら側から、制作会社にオウンドメディアを制作する意図などを伝えておきましょう。
事前に制作会社へ伝える内容について、以下の項目は最低限の情報として、制作会社に提示しましょう。
- なぜ、オウンドメディアを運営するのか?
- 誰に向けたオウンドメディアを運営したいのか?
- オウンドメディアに、どのような情報を掲載したいのか?
- オウンドメディアを、自社にどう生かしたいのか?
- 競合他社のオウンドメディアと、どう差別化したいのか?
オウンドメディアの運用を外注するときは、マーケティングにも精通した企業を選ぶ
オウンドメディアの運用は、単純なホームページの運用ではありません。
オウンドメディア内に投稿されたいくつもの記事から見込み客を集め、自社の売り上げにつなげるための各種施作を行うことで、オウンドメディアの真価が発揮されます。
そのため、単純にデザインがよいだけのオウンドメディアでは、自社がオウンドメディアを運営する目的を達成できないでしょう。
そのため、オウンドメディアの運用を外注するときは、マーケティングにも精通した企業を選ぶようにした方が、費用対効果の高いオウンドメディアを構築できるでしょう。
オウンドメディアの発注にあたって、明確にしておくべき3つの事項
実際にオウンドメディアを発注する段階になっても、発注前に明確にしておくべき事項が3つあります。
それが、以下の3つです。
- 料金体系
- 対応範囲
- スケジュール
お金や成果物に関するこれらの事項は、トラブルのもとになりやすいものです。
そのため、事前に明確な取り決めを行い、両者納得のいく契約内容で業務を遂行してもらいましょう。
料金体系
まずはオウンドメディアの料金体系です。
オウンドメディアの構築には、一般的に「オーダーメイド」と「レディメイド」の2通りがあります。
オーダーメイドとは、その名のとおり、自社のためだけのオウンドメディアを構築してくれるための料金体系です。
作業量から算出された見積もりが、オウンドメディア構築・運用の具体的な値段となります。
レディメイドとは、決められたメニューの中から、必要な要素を積み上げていく形式の料金体系です。
オウンドメディアに要素を追加するほど、その値段は高くなっていきます。
両者には一長一短ありますが、後からの要望が多くなりそうなら「オーダーメイド」、予算が少ない場合は「レディメイド」という選択がオススメです。
対応範囲
オウンドメディアの運営には、サーバーやドメインなど、保守業務において技術的な部分もいくつかあります。
そうした技術的な部分について、なにかトラブルがあった場合、どちらがその対応をするのかということも決めておく必要があるでしょう。
また、オウンドメディアのデザイン修正について、どこまでが対応範囲かということも決めておく必要があります。
「オウンドメディアの色の変更は◯回まで無料」
「オウンドメディア内に新しい要素を追加する場合は別途料金が必要」
など、対応範囲を具体的に線引きしておくことで、余計なトラブルを避けられるでしょう。
スケジュール
オウンドメディアは時間をかけて運営していくものですが、その公開を遅らせたり、ゆっくりと作業をしてよいということではありません。
そのため「いつまでに何を公開しておくのか?」というスケジュールの取り決めを行っておきましょう。
ただし、デザインも運用計画も中途半端なオウンドメディアでは、メディアとして読者に不快感を持たれるばかりか、自社のイメージダウンにもつながってしまいます。
そのため、制作会社がきちんと作業できるよう、発注する側は充分な納期を用意しておきましょう。
以上がオウンドメディア発注の際に必要な確認事項ですが、このほかにも、明確にできる部分があれば明確にしておきましょう。
事前の取り決めが多いほど、トラブルに発展しにくくなります。
小規模な企業なら、自分でオウンドメディアを運営できる
記事中でも少しお伝えしましたが、弊社では自分でオウンドメディアを運営したい方に向けて「オウンドメディア構築塾」という、オウンドメディアの運営ノウハウをお伝えするスクールを運営しています。
このスクールでは、月に100万人が訪れるオウンドメディアを個人で構築した方や、月2万人の見込み客から月1,000万円近い売り上を立てるオウンドメディアを構築した方がいます。
ただ、ここでお伝えしたいのは、弊社スクールの実績ではありません。
個人レベルでも、この規模のオウンドメディアを運営することは可能だということです。
そのため、小規模な企業であれば、自分でオウンドメディアを運営することも検討してみましょう。
オウンドメディアで成功した個人の事例は下記の記事を参考にしてみてください。
まとめ
今回は「オウンドメディアとは?」というオウンドメディアの概要から、自社へのオウンドメディアの取り入れ方までを紹介してきました。
オウンドメディアを構築すれば、新たな見込み客を獲得できたり、自社のブランディングを向上させたりなど、インターネット上で大きな資産としての役割を果たしてくれます。
ただ、オウンドメディア運営を軌道にのせるまでは、多大な時間と労力がかかることも覚えておきましょう。
そしてオウンドメディア運営が軌道に乗るまでは、目立った効果がほとんど出ないことにも注意しておいてください。
こうしたオウンドメディアのメリットとデメリットをきちんと理解した上で、自社にとりれることが、果たしてよいのか?を検討することが大切です。
この記事が、あなたの会社にオウンドメディアを取り入れるか?を判断するひとつの材料となれれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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