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ダイレクトマーケティングとは?8つの特徴とその5つのメリット

ダイレクトマーケティングとは?8つの特徴とその5つのメリット
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インターネット広告費が年々、右肩上がりに増えています。この事実から分かるように、企業が自社のサイトを持つことや、ネットを使って顧客に商品を販売することは、もはや当たり前の時代になりました。そんなインターネットを使った商品やサービスの販売活動で活用されているマーケティング手法が「ダイレクトマーケティング」です。

ただ、ダイレクトマーケティングという言葉自体は聞いたことがあるけれど、しっかりとその中身について理解できているマーケティング担当者は、あまり多くないのではないでしょうか?しかし、インターネットで商品やサービスを販売するのにダイレクトマーケティングを取り入れないのは、ダシを取らずに味噌汁を作るようなもの。

というのも、インターネットとダイレクトマーケティングの相性はとても良く、インターネットを使ってビジネスを成功させたいなら、ダイレクトマーケティングは切っても切り離せないからです。今回は、そんなダイレクトマーケティングの特徴と、ダイレクトマーケティングを取り入れるメリットについて紹介します。

ダイレクトマーケテイングを活用した3つの具体例も紹介しますので、あわせて見ていきましょう。具体例まで見ることで、ダイレクトマーケティングの中身がしっかりと理解できるはずです。

ダイレクトマーケティングとは?

ダイレクトマーケティングとは、アメリカの広告会社である『ワンダーマン』を創立したレスター・ワンダーマンが、1960年代に提唱した、マーケティングの概念です。ダイレクトマーケティングと聞くと、クーポンのついた広告や、フリーダイヤルを告知するCM、ダイレクトメールやテレアポといった販売するために用いる「戦術」を思い浮かべられがちでしょう。しかし、ワンダーマンは、彼の著書である『売る広告』の中で、ダイレクトマーケティングは、戦術ではなくあくまで「戦略」であるということを伝えています。

では、ダイレクトマーケティングとは、いったいどんな戦略なのでしょうか?ダイレクトマーケティングの戦略としての特徴は、「反応が測定可能な広告メディアを使い、どんな場所からでも顧客と個別に双方向のコミュニケーションが取れること」です。既存の広告のような、一方的に広告を配信するマーケティングではないということですね。

ダイレクトマーケティング8つの特徴


では、ダイレクトマーケティングの特徴を、具体的に見ていきましょう。ダイレクトマーケティングには、以下のような8つの特徴があります。

1.1対1のマーケティングである

マス広告は一方的に売り手のメッセージを伝える「1対多」のマーケティング手法です。一方、ダイレクトマーケティングの特徴は、見込客と双方向のコミュケーションと取るため「1対1」で行うマーケティング手法です。こちらが提示したオファーに対して、見込客からの反応や、その履歴を分析することで、見込客をより深く知ることができます。その結果として、より効果的な、顧客に合ったマーケティング活動を行うことが可能です。

2.見込客からのレスポンスを重視する

ダイレクトマーケティングが、これまで行われていた広告手法と大きく違う点は、広告を見た見込客からの『反応=レスポンス』を重視していることです。企業やブランド名の「認知」や「ネームバリューの強化」といった、直接行動に表れない効果よりも、広告を見た見込客からの「注文」や「問合せ」といった、レスポンスが数字で表される広告を出稿することに主眼を置いています。

3.すべての数字が測定可能である

また、一般的な広告と違うのは、その広告からの効果が、数字ですべて測定可能だということです。広告の出稿内容、広告媒体、顧客リストの内容や、オファーによって反応がどう変わるのか?その広告からの結果がわかります。その数字を測定することで、今後のマーケティングに活用できるのも、ダイレクトマーケティングの特徴です。

4.費用対効果が高い

ダイレクトマーケティングを行うことで、すべての数字が測定できるようになります。ですので、広告にかけた費用が、どれだけの売上につながっているのか?といった費用対効果を徹底的に追及することが可能になります。これにより、一件の注文を獲得するためにかかったコストである「CPO(Cost Per Order)」を、PDCAサイクルを回すことで下げることができ、広告の費用対効果を高くできるのも、ダイレクトマーケティングの特徴といえるでしょう。

5.どんなビジネスでも活用できる

ダイレクトマーケティングというと、「通信販売」や「Eコマース」にしか効果がないマーケティング手法だと思われがちです。しかし、すべての業種・業態で、ダイレクトマーケティングは有効なマーケティング活動になります。その成功事例は、多岐にわたります。小売業、飲食店だけではなく、保険や金融といった業種でも、ダレクトマーケティングを取り入れることで売上を伸ばしたという成功例が、あとを絶ちません。また、ダイレクトマーケティングは、企業の大小も問わず、どんなビジネスにも活用できることも特徴のひとつです。

6.場所を問わず行える

ダイレクトマーケティングさえあれば、地球上のどんな場所からでも、見込客と接触することが可能です。メールやインターネット、電話、ダイレクトメールといった双方向のコミュニケーションを取ることによって、見込客にわざわざ店舗に足を運んでもらうことなく、商品を販売することができるからです。そのため、ダイレクトマーケティングを取り入れることで、地方や立地が良くない場所でも、ビジネスを成功させることが可能になります。

7.売り手と買い手が双方向にコミュニケーションを取れる

申込、資料請求、購入。こうした見込客からのレスポンスによって、販売主は、商品の発送、お礼状、追加購入への誘導といった、異なるオファーを提示することができます。つまり、見込客からのレスポンスに対して、コミュニケーションを取りながら、顧客に最適な提案が可能となり、とても効率的なマーケティングを行うことができるのです。

8.顧客データが残る

ダイレクトマーケティングの成功は、顧客データの管理にかかっているともいえます。利益を最大化させるために、一度購入してもらった顧客リストに対して、リピート購入を促したり、より高額なサービスを追加提案したりすることによって、お得意様になってもらう必要があるからです。ダイレクトマーケティングでは、双方向のコミュニケーションが取れることが特徴です。そして、その顧客の情報がデータとして蓄積されていくことも、ダイレクトマーケティングの大きな特徴です。

ダイレクトマーケティングを活用する5つのメリット


ダイレクトマーケティングには、このように8つの特徴がありますが、その特徴を生かしてしてマーケティング活動を行うことで、次のような5つのメリットがあります。

1.PDCAを回しやすい

ビジネスの基本は、計画(Plan)を立て、行動(Do)した結果の数字を分析(Check)して、改善(Action)していくこと。ただし、計画を立てて行動しても、その効果が数字で測定できなければ、分析・改善の施しようがありません。ダイレクトマーケティングは、すべての数字が測定可能であるため、行った施策が成功だったのか?失敗だったのか?を客観的に数字で判断することができます。そのため、悪いところは改善し、良いところは伸ばしていくというPDCAサイクルが回しやすいメリットがありますね。

2.売上の予想が立てやすい

売上を決める公式を、アメリカNO.1のマーケッターでありコンサルタントのジェイ・エイブラハムは、次のように提唱しています。

「売上」=「新規の客数」×「客単価」×「リピート数」

つまり、新規の顧客数・客単価・リピート数という売上を決める要因となる数字をKPI(※)として設定し、それぞれの数字がどのように変化するかを予測できれば、最終的な売上の予測も可能になるのです。ダイレクトマーケティングでは、すべての数値が測定可能なので、売上に必要なKPIも簡単に測定でき、予測も可能になるのです。経営者や事業の責任者が、自分のビジネスに不安を感じる大きな原因は、将来の売上予測が立てられないこと。ダイレクトマーケティングを取り入れることで、売上の予測が可能になれば、将来の売り上げに対する不安も、解消できることでしょう。

(※)重要業績評価指数:目標の達成に向けて、プロセスが適切に実行しているかを計測する数字。

3.少人数で事業を拡大できる

ダイレクトマーケティングで、セールスに必要となる広告やWebサイト、メール、ランディングページ、ダイレクトメール、カタログなどは、一度作ってしまえば、365日24時間休むことなく働き続けてくれるセールスマンのような存在になります。売上をもたらし続けてくれるこうした販促物は、作りさえすれば、あとは広告費にお金をかけるほど、売上は伸びていきます。そのため、事業を運営するのに、さほど人数を必要としません。

また、一度セールスの流れを作ってしまえば、あとはそのモデルを水平展開していくことで、どんどん事業を拡大することが可能になります。このように、ダイレクトマーケティングは必要最低限の少人数で事業を拡大していけるのがメリットです。

4.安定した収益基盤を築きやすい

江戸時代の呉服屋では、店が火事になった時、商品ではなく顧客の名簿を井戸に投げ込んでいました。これは、顧客の名簿が燃えてしまわないようにしていたためです。火事ですべてを失ったとしても、顧客名簿さえ手元に残っていれば、その顧客名簿をもとに、また商売を始めることができると知っていたからです。

ビジネスにおいて最もコストがかかるのは、新規の顧客を獲得する時。初回限定として割引をつける金銭的なコストの負担もあるでしょうし、自社のことや商品のことをまったく知らない人に、商品の良さを伝える労力面のコストも必要になるでしょう。

しかし、一度自社の商品を購入してくれた人が、その商品を気に入ってくれれば、リピートにつながりやすいです。さらに、より高額な商品を、追加で販売することも可能になります。それほど、一度自社の商品を購入してくれた顧客の名簿=顧客リストは、ビジネスにおいて重要なのです。

また、販売する商品にもよりますが、ダイレクトマーケティングで新規の顧客を獲得したあとは、定期購入や月額課金といったストック型のビジネスを展開することも可能です。申込や購入してくれた顧客のデータが顧客リストとして積み重なっていくことで、そこから安定的な売上をもたらしてくれるようになるのも、ダイレクトマーケティングのメリットです。

5.見込客のニーズを把握しやすい

ダイレクトマーケティングを続けていくと、顧客リストがどんどん積み重なっていきます。「どんな顧客がどんな商品を購入するのか?」「逆に、どんな顧客がどんな商品を購入しないのか?」「購入した顧客は、商品のこんなところが気に入っている。」または、「商品のこんなところに不満を持っている。」こういった顧客のニーズも、活用できるデータとして蓄積されていきます。

売れる商品作りの基本は、見込客のニーズに合わせたものを作ること。こうしたデータとして集まった顧客のニーズに合わせた商品作りを行うことで、より売れる確率が高くなる商品を開発したり、改良したりすることが可能になるでしょう。顧客リストがあり、その顧客リストが望む商品を提供する限り、商品が売れない…、なんてことはありません。
このように、ダイレクトマーケティングを続けることによって、見込客のニーズが把握できます。これにより、ビジネスの基盤が強固になるのも、このマーケティング手法の特徴のひとつです。

ダイレクトマーケティングを活用した3つの具体例

ここまでは、ダイレクトマーケティングの特徴とメリットを紹介してきました。最後に、ダイレクトマーケティングをよりしっかりと理解するため、その手法が活用されている具体例を3つ紹介します。

顧客が好みそうな商品を見せる「Amazon」

URL:https://www.amazon.co.jp/

大手通販サイトの「Amazon」は、あなたも一度は利用したことがあるでしょう。Amazonのトップページにも、ダイレクトマーケティングの手法が使われています。

その手法が顕著に現れているのが、「チェックした商品の関連商品」です。ここには、あなたがチェックした商品と類似した商品が、ズラッと表示されています。

あなたが興味を持った商品のデータがAmazonに蓄積され、「こんな商品もどうですか?」とAmazonが提案しています。ダイレクトマーケティングの特徴である双方向のコミュニケーションが、しっかりと現れている具体例ですね。

顧客に合った保険プランを提案する「ソニー生命」

URL:http://www.sonylife.co.jp/

オーダーメイドで、顧客に最適な保険プランを提案しているのが「ソニー生命」です。オーダーメイドというのは、まさに「1対1」の「コミュニケーション」によって成り立ちます。

ダイレクトマーケティングの特徴として、はじめに紹介した「1対1マーケティング」と、7個目に紹介した「双方向のコミュニケーション」が、顕著に現れている具体例ですね。

顧客にカタログを送ってリピートしてもらう「ニッセン」

URL:http://www.nissen.co.jp/

ファッション通販の大手「ニッセン」は、広告から商品を購入してくれた(=レスポンスをしてくれた)顧客に、カタログを送付し、リピート購入を促しています。ダイレクトマーケティングの特徴として2個目に紹介した「顧客からのレスポンスを重視する」が顕著に現れている具体例です。

販売者側が顧客にカタログを送付することで、顧客は電話やインターネットで、どこにいても商品を購入できます。ダイレクトマーケティングの特徴として6個目に紹介した「場所を問わずに行える」も、よくわかりますね。

まとめ

ダイレクトマーケティングは、1960年代にレスター・ワンダーマンによって提唱されたマーケティング手法です。こう言うと、もしかしたら、「そんな古いマーケティング手法が今さら通用するの?」そう思うかもしれません。

しかし、ダイレクトマーケティングは、Webマーケティングの根本となる概念です。根本となる概念は、流行ではありません。また、現在成功している企業というのは、ほぼ例外なく、ダイレクトマーケティングを取り入れています。

というのも、ダイレクトマーケティングには、

・ビジネスに必要となるPDCAサイクルを回しやすい
・売上の予想が立てやすい
・少人数で事業を拡大させることができる
・安定した収益基盤を築くことができる
・見込客のニーズを把握しやすい

といったメリットがあり、リスクを極力抑え、ビジネスを安定的に成長させていくことができるからです。特にスタートアップや、資金・人員に限りがある企業にとって、ダイレクトマーケティングを取り入れる効果は絶大。Webを使って、商品やサービスを販売していくなら、ダイレクトマーケティングは、必須のマーケティング手法といえるでしょう。

Webマーケティングについてもっと知りたい方は以下の記事にまとまっているので参考にしてください。